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中国で病院霊安室が遺族の弱みにつけ込む「ぼったくり商法」

 中国では病院でも気を抜けない。臨終に際しても「ぼったくり」が横行している現実がある。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 死者を送る葬儀の費用については、シビアな交渉はしたくないのが遺族の心理である。そのため葬儀費用は長らく「言われるまま」であった。経済の長期低迷を受けて日本ではいまや廉価な葬儀が広く受け入れられているが、中国ではまだ「言われるまま」という世界が相変わらずのさばっているという。

 そんな中国にあって最近話題になったのが、病院の霊安室の管理があまりに高額であるという問題である。

「実は、山東省済南市物価局が衛生及び計画育成委員会と民生局と合同で行った調査によって明らかになったことですが、済南市のいくつかの病院が、霊安室で死体をあずかる際に、死体の管理費と称して高額な費用を要求していたという問題が発覚したのです。

 死体を病院に安置した遺族が、一旦は支払いに応じたものの、後で納得がいかないとして当局に〝挙報〟(密告、投書)したことで問題が発覚したようなのです」

 そう語るのは、北京のメディア関係者だ。

 病院が要求していた金額は、1時間なんと900元(約1万7000円)というから遺族の弱みにつけ込むのも限度を超えている。投書を行った遺族のなかには、一晩の費用が7000元(約13万2300円)を超えていたケースもあったと伝えられた。

 では、なぜこれほどの値段設定になったのか。管理の項目には、「ネズミに遺体を齧られるのを防ぐための費用」とも書かれていたという。こんなことを書かれてしまえば、「ネズミに齧られるのもかまわない」という遺族はいないだろう。

 結局、調査対象となった3つの病院は処分され、これを一罰百戒として当局が大きく宣伝しているのだが、「遺体を人質にとられている以上、また病院側が何らかの名目でお金を要求する可能性は否定できない」(同前)という。

 中国社会の抜け目のなさが伝わるニュースである。

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