投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、9月28日~10月2日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は堅調か。米利上げは先送りされたが、経済指標などが堅調で10月以降の実施に期待感が強まれば、123円台まで上昇する展開となりそうだ。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は24日、インフレが安定的に推移し、米経済が雇用拡大に向け力強い状態なら年内に利上げの方向性を改めて示した。
一部には米国経済の減速懸念もあるため、ISM景況感指数(10月1日)が注目される。また、雇用情勢の改善を確認するうえで、9月雇用統計・失業率(10月2日)が手掛かりとなる見通し。次回のFOMC会合(10月27-28日開催)での利上げ決定を予想している市場関係者は少数にとどまるが、企業景況感や雇用関連の指標改善は年内利上げの確率をさらに高める要因となりそうだ。
【ISM景況感指数】(10月1日発表予定)
9月利上げが先送りされ、中国経済だけでなく、米国経済への減速懸念も一部に出始めていることから、直近の景況感が注目される。前回は51.1だったが、今回は50.6と若干の弱含みが見込まれている。予想を大きく上回れば、10月もしくは12月の利上げに期待感が強まる見通し。
【9月米雇用統計】(10月2日発表予定)
非農業部門雇用者数は8月分が+17.3万人と、雇用の持続的な回復の目安とされる20万人を下回ったことで雇用情勢はやや悪化したと受け止められた。しかし、ここ数カ月は連続して上方修正されており、今年に入って平均すると20万人を上回っていることから、8月分の数字がどの程度上方修正されるか注目される。なお、9月分は前月比+20万人と予想される。
9月28日-10月2日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。