大阪・関西万博にキウイブラザーズが現れて、クイズ大会が開催された
「キウイは皮ごと食べられる?」──8月5日、連日国内外から大勢の来場者で賑わう「大阪・関西万博」の大阪ヘルスケアパビリオンリボーンステージに、マスコットキャラクターのキウイブラザーズが登場。クイズ大会「今日からあなたもキウイ博士」がスタートした。
冒頭のクイズの正解は意外にも「食べられる」。
ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社アジアパシフィックマーケティング本部長の猪股可奈子さんによると、「ゼスプリのキウイは安全性に配慮して生産されているので、表面を水で洗えば、皮つきのまま食べられます」とのこと。
「特に皮に毛がほとんどないサンゴールドキウイなら食べやすく、皮なしと比べてより多くの栄養がとれ、食物繊維の摂取量は約2倍、葉酸やビタミンEは約1.3倍にアップします。ただし、皮は消化に時間がかかるため、お子さまや消化器系が弱い方には皮をむいて食べることをおすすめします」(猪股さん)
キウイに関する興味深いクイズは、ほかにも次々に出題された。
「黄色い果肉のサンゴールドキウイのビタミンCはレモン何個分?」(正解「7個分」)
「緑の果肉のグリーンキウイの食物繊維はバナナ何本分?」(正解「2本分」)
「果物って甘いから太るの?」(正解「太らない」/キウイは1個あたり100gでカロリーも50kcal程度と低く、食物繊維も豊富で低GI)
知られざる“キウイの真実”に会場は大盛り上がりした──。
トークイベントには大勢の人が集まり賑わった
「やせ」と「メタボ」が共存する日本の栄養問題
このクイズが行われたのは、「日本人の3人に1人が栄養不良!解決の決め手は?」と題するトークイベントでのこと。客席に女性グループや家族連れを中心にさまざまな世代の来場者が並ぶなか、登壇したのは、日本栄養士会会長で日本栄養実践科学戦略機構代表理事・理事長の中村丁次先生と、前出の猪股可奈子さん。「野菜ソムリエ上級プロ」の資格をもつアナウンサー、竹下裕理さんのMCでトークセッションがスタートした。
開始早々会場を驚かせたのは、「日本の成人の3人に1人が栄養不良に陥っている」(※)という事実。来場者にとってもこの数字は意外だったようだが、50年にわたり病院の管理栄養士として多くの患者の栄養指導を行ってきた中村先生によると、栄養不良=栄養不足とは限らないのだそう。
※ 厚生労働省「健康日本21(第三次)」の「栄養・食生活に関連する目標」における「BMI 18.5以上25未満(20歳以上64歳まで)およびBMI 20を超え25未満(65歳以上)の者の割合」の「現状値 60.3%」をもとに算出 (参考/https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kaigi/attach/pdf/230906-17.pdf)
同じ国や地域の中で低栄養と過栄養が両方存在していることが栄養問題となっている
「栄養不良というと、栄養素の摂取が不足している『低栄養』を想像するかもしれませんが、食べ過ぎ、つまり過剰に栄養を摂取している『過栄養』も、栄養不良に含まれます。世界では『栄養不良の二重負荷』といって、同じ国や地域の中で、低栄養と過栄養が両方存在していることが栄養問題となっています。
世界的には長寿で健康だと思われている日本でも、若い女性や高齢者の『やせ』の問題と、中高年層の『メタボ問題』が共存しており、肥満度の判定に用いられる体格指数BMIで判定すると、日本人のうち約3人に1人がやせか肥満のどちらかであるという調査結果が出ています。誰一人取り残さない社会を目指すうえで、栄養不良問題の解決はとても重要です」(中村先生)
キウイを通して栄養不良問題解決に取り組む
日本の栄養不良を解決するため、日本栄養士会の後援を受けて栄養改革プロジェクトを立ち上げたのがゼスプリだ。マイクを握ったゼスプリの猪股さんは、プロジェクトに取り組むなかで栄養バランスの良い食事を摂る難しさが見えてきたと語った。
一般生活者1万人を対象に、栄養や食生活についての全国規模の意識調査を行ったところ、栄養バランスのいい食事をとりたいという人は9割以上。一方、毎日とれていると答えた人は約2割と、大きなギャップがあったようだ。
日本と他国では果物に対するイメージの隔たりがある
また、日本では果物が栄養バランスの取れた食生活に良い食べ物だと思う人はわずか20%で、フランス・ドイツが70%であるのに対して非常に低い。さらに、果物消費状況のデータを見ても日本は160カ国中152位と低く、ギリシャのわずか1/4にとどまっている。
「日本では果物を『たまに食べる季節のデザート』といった特別な機会のものと捉えられがちで、他国の『果物は毎日の栄養源』『必要不可欠な食べ物』という認識とは隔たりがあることがわかりました」(猪股さん)
こうした問題について、実際に3人のお子さんの子育て中だという猪股さんは、「現代社会の『忙しさ』が大きな課題」とも語った。
「現実には仕事や家事をこなすのに精いっぱいの毎日で、一度に何品も料理を用意するプレッシャーや、それを実現できないジレンマを抱えている方も多いと思います。私もそうですが、親御さんは子どもたちの食事が最優先で自分のことは後回しになりがちですよね。そんなときは特に、ビタミンやミネラル、食物繊維など、自然の栄養素が詰まっていて、調理なしで簡単に栄養バランスを整えられる果物を活用していただきたいと思います」(猪股さん)
ゼスプリはキウイを通して栄養不良問題解決に取り組んでいる
さらに猪股さんは、ゼスプリでは2030年までに、高品質で栄養価の高いキウイフルーツ60億食分を通して、誰もが栄養バランスのとれた食事を楽しく手軽にとれる社会をつくるためにさまざまな活動を行っていく予定だと発表。これを聞いた竹下さんは、「管理栄養士さんや栄養士さんと共に日本の栄養改革を図っていくんですね!」と、ゼスプリの取り組みに強く共感した様子だった。
栄養バランスを改善するカギは果物
では、はたして「バランスの良い食事」とはどのようなものだろうか?
「思い出してほしいのは小学校の給食です。主食、主菜、副菜の3皿が揃っていて、そこに果物と乳製品がついていましたよね。あの状態がバランスのよい食事なのです。ですから、できれば毎食3皿揃えることを意識し、そのうちの1食には果物と牛乳を添えてほしい。また、毎食同じ食品を食べていると摂取できる栄養素が偏ってしまうため、いろいろな食品を食べることが重要です」(中村先生)
とはいえ、毎日さまざまな食材を摂って栄養バランスを整えるのは難しい。「皆さんはどうですか?」と竹下さんが会場に問いかけたところ、やはり深くうなずく人の姿が目立った。すると、「そこで役立つのが果物です」と中村先生。
日本栄養士会会長で日本栄養実践科学戦略機構代表理事・理事長の中村丁次先生
「日本人に不足しがちな栄養素には食物繊維、カリウム、鉄、カルシウム、タンパク質などがありますが、このうち食物繊維とカリウムについては果物の摂取によって補うことが可能です。
また果物にはビタミンやミネラルも豊富に含まれているのが特徴です。日本人の健康課題解決のカギは果物にあるのではないでしょうか」(中村先生)
身近なスーパーフルーツ、キウイフルーツ
大切な栄養源として日本人の食生活にもっと取り入れたい果物。そのなかでもキウイにはどのような特色があるのだろうか。
「キウイにはビタミンCや食物繊維、カリウム、葉酸など、10種の栄養素が詰まっています。果肉の色ごとの特徴としては、サンゴールドキウイはビタミンCが豊富で1個で1日の必要量が摂れ、グリーンキウイは食物繊維が豊富で1個で不足しがちな食物繊維を補えるんです。半分に切ってスプーンで食べるだけで、簡単に美味しく栄養が摂れます」(猪股さん)
キウイのパワーについて、中村先生もこう話した。
総合的にバランスよく取れる
「キウイは果物の中でも、総合的に栄養素をバランスよく取れる特異性のある果物なんです。40種にも及ぶいろいろな栄養素をとらなくてはいけない我々にとって優れた存在と言えます」(中村先生)
手軽に購入できる上に、総合的にバランスよく栄養素を摂取できるパワフルなスーパーフルーツ、キウイ。1日2個程度を目安に食べるのが良いといわれるが、野菜ソムリエ上級プロの竹下さんいわく、簡単に用意できて小さな子どもでも食べやすいハーフカットはもちろん、皮ごとジューサーに入れてスムージーにしたり、冷凍庫で凍らせてフローズンキウイにしたりするのもおすすめだそう。また、カレーに入れると甘味が増しておいしくなり、竹下さんのお子さんにも人気のメニューになっているそうだ。
ゼスプリ インターナショナル ジャパン株式会社アジアパシフィックマーケティング本部長の猪股可奈子さん
ここでトークセッションは閉会。最後に中村先生は、「果物は栄養のバランスに優れ、健康のためにとても重要な食べ物です。ゼスプリさんと共に進めている『栄養の力でつながるプロジェクト』、略して『栄養つなプロ』を通じて日本の栄養不良の改善に取り組んでいきますので、ぜひご期待ください」とあいさつ。
猪股さんは、「始まったばかりの『栄養改革プロジェクト』を一緒に進めていくパートナーを広げていきながら、長い期間をかけて真剣に日本の栄養不良の解決に取り組んでいきたいと思います」と締めくくった。
その後、冒頭の“クイズコーナー”へ。来場者の中にはクイズに全問正解してよろこぶファミリーもいて会場は大いに盛り上がり、イベントはすべて終了。日本人の栄養問題について学ぶとともに、栄養不良対策に役立つキウイについてもさまざまな知識を身につけ、「キウイ博士」になって会場を後にした。
まだまだ暑い日が続き、栄養不良に陥りがちなこの季節、キウイ博士たちはきっと毎日の食生活にキウイを上手に取り入れることだろう。
取材協力/ゼスプリ インターナショナル ジャパン
大阪・関西万博に現れたキウイブラザーズ