国内

人気の格安葬儀の落とし穴 以後弔問客が引っきりなしになる

 かつては大勢の会葬者が訪れる葬儀が一般的だったが、近年は「家族葬」「直葬」と呼ばれる低価格・小規模な葬儀が全国的に広がっている。人気の「格安葬儀」だが、そこには意外な落とし穴もあるという。ライターの池田道大氏が、格安葬儀経験者の声をレポートする。

 * * *
 宮城県在住のAさん(58)は同居していた父の葬儀を近親者のみの家族葬で行い、葬儀後に喪中ハガキで知人や友人に伝えた直後、自宅に「異変」が生じたと明かす。

「弔問客が引っきりなしに訪れるようになったんです。父が亡くなった原因や生前の様子など、弔問客は一様に同じことを聞きます。喪服で来る人、焼香する人をぞんざいには扱えず、いつまでも葬式が終わらない感じで、父を亡くしたストレスがなかなか癒えません」(Aさん)

 恥をかいたというのは神奈川県在住のBさん(60)。高齢の母を看取った後、本人の希望もあり、近くに住む身内だけで家族葬を行った。

「翌年の正月に里帰りした際、親族から“この親不孝者”“みすぼらしい葬儀をするな”と責められて辛かった。考えてみれば、田舎に住む母のきょうだいも母の家族です。本人の希望とはいえ、きちんとした葬儀をしておけばよかった」(Bさん)

 別れの場を「奪われた」と嘆くのは、福島県在住のCさん(76)。近所に住む50年来の友人を亡くした際、葬儀を手伝おうと友人宅を訪れると思わぬ対応をされた。

「友人の妻は“東京に住む長男が戻って家族葬をするみたい”とオロオロするばかりで葬儀の日程や段取りを教えてもらえなかった。長年の友に線香も上げられず、気持ちが落ち着きません。長男はたしかに家族かもしれませんが、疎遠だった者が葬儀を仕切って参列もできないのは残念です」(Cさん)

※SAPIO2015年10月号

関連記事

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン