ほかにも、マイナンバーの懸念事項はあり、社会的格差が広がるといわれています。

 米国にはクレジットスコアという個人の信用偏差値がありますが、これは毎日のクレジットカードの利用履歴を集計して、その人の信用力を弾き出すというものです。250~850点までの点数が付き、もちろん点数の高い人は信用力があるとされます。クレジットカードの限度額を高く設定してもらえますし、ローンの金利も低くしてもらえるのです。逆に点数の低い人は、カードの審査に落ちたり、ローンも高い金利でしか借りられません。

 このクレジットスコアと社会保障番号は紐付いており、政府や民間企業はマーケティングや雇用の際に有効活用しています。実際、米国ではスコアは就職面接で使われますし、結婚でも参考にされます。数年前のリーマンショックもスコアの低い人たちに金融機関がお金を貸しすぎたために起こったといわれるなど、やっかいな代物なのです。

 ところが、米国の日本に対する対日要求報告書では、このクレジットスコアを導入せよと日本に迫っていますから、おそらく2018年の民間利用解禁の時には、本格導入されるのではないかと考えられます。

 そんなわけで、クレジットカードとマイナンバーの相性は驚くほどよさそうですから、大いに警戒しなければなりません。

 自衛のためには、まず、今度送られてくる個人カードの番号を誰にも見せないことが大切です。12桁の番号があなたのプライバシーのすべてなのですから、家族にも見せないようにしたいものです。

 そして、毎月のクレジットカードの履歴を確認して、不審な利用があったらすぐにカード会社に連絡するようにしましょう。“なりすまし”で、あなたのカードがつくられている危険性があるからです。

 本番の個人カードが行き渡るのはまだ先ですから、むやみに心配することはありませんが、2018年になれば世の中が一変すると予測されます。その時に備えて、マイナンバーの仕組みをよく知り、クレジットカードの上手な使い方についてもあらためて復習しておくことが大切です。

※女性セブン2015年10月8日号

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