ビジネス

指のおさまりがよく、ぐらつかない 8000円の高級七角箸

『極上七角削り縞黒檀』(長さ男性用24cm/女性用22cm、8640円)

「箸は、毎日使う自分だけの専用の道具。たとえ家族の間であっても、人には貸さないほどなのに、自分で買わない人が多いよね」

 そう言って微笑むのは、江戸木箸を作る「大黒屋」の主人・竹田勝彦さん。

 以前、食器問屋に勤めていた竹田さんは、箸の持ち手部分の形が四角か丸ばかりなのに疑問を持っていた。それで独立後、もっと持ちやすい形があるのではないかと、多角形の箸を職人に注文したところ、断わられてしまった。

「2本あって、ものがつまめれば箸。四角や丸でもちゃんと食べられるんだから、それでいいだろう、ということだったのかもしれません。職人さんが作ってくれなくて。で、結局、自分で作ることにしたんです。最初は八角形の箸を作っていましたが、ある時、箸は3本指で支えるので、三角形にしてみたんです。これは持つと安定感はあるのですが、角が指に当たって痛い。そこで、五角形を作りました」

 四角い角材を五角形にするのは難しく、製品として完成するまでに約3年間、試行錯誤を繰り返した。その甲斐あって、売り出すや、たちまち評判を呼んだ。

「でも、五角形の箸を持った女性から、持ちやすいけど角がちょっとキツイという指摘があったんです。だから次は、七角形に挑戦しました」

 そして出来上がったのが七角箸。なかでも『極上七角削り縞黒檀』(長さ男性用24cm/女性用22cm、8640円)は、堅くて艶のある黒檀を使用。ほどよい重量感が使いやすいと好評だ。

「指のおさまりがよく、ぐらつきません。箸先まで七角形のまま一直線に傾斜し、ピタッと合うように仕上げていますので、箸をあまり開かなくても楽につまめて、手が疲れないんです」

 何を使うかで料理の味わいも変わるという箸。こだわりの1膳を、探したい。

※女性セブン2015年10月22・29日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン