C「航空業界の重鎮といえば自民党運輸族のドンといわれる二階俊博氏もいる。JALは赤字覚悟で南紀白浜・羽田便を飛ばし続けている」
A「それってモロ、二階さんの地元じゃないですか(苦笑)」
C「その通り。でもJALはそんな便を飛ばしているくせに二階氏に食い込めていない。それは実務を担当する二階氏の側近とのつながりが希薄だから。経営破綻後、政界工作チームがバラバラになったJALは永田町対策の戦略を欠いているように見える」
D「それにしても相変わらず航空業界は政治マターが多過ぎる。安倍首相は航空会社主導で航空路線を自由化する『オープンスカイ』政策を推奨しているが、国や政治家の本音は自由化などやる気がない。彼らは本格的な価格競争が始まって既得権益を失うことを怖れている。
ちなみに『オープンスカイ政策をやめるべき』と主張する急先鋒の西田昌司・自民党議員の弟はJALの子会社であるJTA(日本トランスオーシャン航空)の役員だ」
C「ただでさえ、独占禁止法に抵触しそうな業界なのに、これじゃ航空会社は政界工作に走るわな」
D「本来、航空路線や空港は国民共有の財産であり、官僚や政治家が恣意的に分配することは許されない。我々マスコミも“利用者目線”を忘れてはならないね。わかったかい、Aくん」
A「ハイ……」
※週刊ポスト2015年10月30日号