実のところ、塩分摂取量と血圧の関係は解明されていないんです。相関関係はあっても、因果関係があるとはいいがたい。少なくとも、健康な人が1日6g以下に減塩する必要はありません。根拠もなく、むしろ危険。減塩のしすぎは、逆に寿命を縮める可能性があります」
卵のコレステロールや乳脂肪分を気にしている人も多いが…。
「コレステロールは細胞膜やホルモンの原料となり、生命に欠かせない重要な成分。閉経すると卵巣からのホルモン分泌が止まりますが、副腎や脂肪細胞で女性ホルモンは作られ続ける。
コレステロールが少ないということは体内の細胞がもろくなることも意味し、低コレステロールの人はがん死亡率が高いというデータもあります」
1976年から、“長寿地域”として有名だった東京都小金井市の70才の人の食事を追跡した調査がある。10年後に80才を迎えた人の「1日の総摂取エネルギーに対する脂肪の比率」をみると、男性は10年間で23.7%から26%へ、女性は22.5%から26%に増えていたという。
「年をとって、むしろ、こってり系をよく食べ始めた人が長生きしているんです。食事でコレステロールを制限するのは無意味・有害です。肉、魚、卵や牛乳など、脂肪とたんぱく質を毎日しっかり摂ることが、健康に長生きする秘訣ですよ」
※女性セブン2015年12月3日号