「プリクラ加工までやっちゃうのは恥ずかしいけれど、黒目にいい感じに光を入れる写真は大好き。わざとらしくないでしょう? 友だちからも『カワイイ』て言ってもらいやすい。キラ目加工はみんなやってますよ」(首都圏の女子高校生)
キラ目の場合、写真アプリでの操作以外に前述のようなカラコンの可能性もあるのだが、どちらにしても写真と本人の食い違いは小さくない。本人と会ったときに別人に見えても、露骨に驚かない心構えをしておこう。
●画面明るく飛ばす
女性(最近は若い男性にも多いが)のポートレートで目立つのは、ななめ上からのアングルだ。そのほうがほっそりした輪郭の小顔に見えるからだが、同じななめ上アングルでも妙に明るい写真がある。それは、撮影者が奇跡の一瞬を探して時間をかけ、もっとも写真が明るくなる角度で撮っているからだ。
「自撮りをするときは、イチバン光が多く当たる角度を探して、同じ場所をくるくる回りながら撮ります。メンバーが集まるとみんなでスマホを持ってくるくる回ってます。5分や10分は当たり前です。アイドルじゃなくても、自撮りが好きな子はみんなやるんじゃないですか。たとえ普段の自分の印象と違う写真になってもいいんですよ。だって自撮りなんだから」(グループに所属する地下アイドル)
自撮り棒やスマホにとりつける広角レンズが人気を集めているのは、腕を伸ばしただけでは不可能な角度で、まるでライティングしたように光を当てた写真が撮りたいからだ。その、妙に明るい写真を見て、本人の印象と違うと落胆しても始まらない。自撮りは、最初から再現性を求めて撮影されたものではないからだ。
十代を対象とした写真についての調査によれば、自撮りのほうが人に撮ってもらう写真より好きだという人が半数を超えている。自分の思うように写り方をコントロールできるからだ。それでも違っていて当然の自撮り写真にだまされたくない人は、自撮りか他撮りかを判別する目を養って自衛するしかないだろう。