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別れた娘を眺めているだけでもストーカー行為か 弁護士見解

 厚生労働省がまとめた「2014年 人口動態統計」によると、日本全国の2014年度の離婚件数の推計は約22万2000件で、2分22秒に1件の割合で離婚が成立している。子どもがいる夫婦が離婚に至った場合、子どもはどちらかの親元で暮らすことになるが、別れた娘を眺めているだけでも、ストーカー行為になるのだろうか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 1年前に離婚。7歳の娘とは2か月に1回の面談が許されていますが、それ以外の接触は禁じられています。それでも娘の顔を見たくなるので、たまに校庭で遊ぶ彼女の姿を眺めています。なのに元妻は「それはストーカー行為だから、止めてほしい」と通告。娘をただ眺めているだけでも罪になるのですか。

【回答】
 ストーカー規制法2条は、特定の者に対する恋愛感情、その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的でする、つきまとい行為を一定の方法で反復することをストーカー行為としています。

 子供への愛情を満たす目的で「学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という)の付近において見張りをしている」ので、つきまといのひとつである見張りをしているといわれそうです。「見張り」とは、視覚の感覚器官によって対象の動静を観察する行為ですから、あなたの行為は「見張り」そのものともいえます。

 しかし、ストーカー規制法では見張りが「身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行なわれる場合」にストーカー行為になるとしています。

 どんな場合に、これにあたるかですが、破談になった結婚相手が忘れられず、女性の住むマンションの駐車場で、短時間ではあるものの、何回も自動車の存否を確認するなどした行為がありました。

 これについて裁判所は被害者が在宅しているか否か、転居しているか否か等その動静を観察するもので、被害者の住居の付近で行なわれる、このような行為は被害者に対し、その住居等の平穏が害され、行動の自由も害され不安を覚えさせるとし、ストーカー行為であるとしています。

 つまり、相手に不安を覚えさせるかどうかが重要な要素です。面会交流以外の接触を禁止されているあなたが、校庭で遊ぶ娘さんを見張っていれば、連れ去りの不安などを感じさせる可能性は否定できません。今後の面会交流の円滑な実施のためにも慎んだほうがよいと思います。面会を通じ、実績を積めば、娘さんも余計な不安を抱かなくなるでしょう。

【弁護士プロフィール】
◆竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。

※週刊ポスト2015年12月11日号

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