スポーツ

角居勝彦調教師 阪神JF勝つ条件は血統背景など資質が大きい

 阪神JF(ジュベナイルフィリーズ)といえば師走の2歳馬の女王決定戦だ。角居厩舎は2006年のウオッカ、2007年のトールポピーと連覇を果たし、両馬とも3歳クラシックを制している。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、翌春につながるレースで勝つ条件について語る。

 * * *
 師走の競馬場は寒い。特に六甲おろしが吹き荒ぶ阪神競馬場はとびきりです。競馬ファンの身は縮み、競馬新聞は煽られ、表情も強ばりがち。風の冷たさが痛いくらいです。

 阪神JFはGIの中では注目度がもうひとつのレースかもしれません。年末で慌ただしいし、有馬記念も控えているし、牝馬限定で出走馬の知名度もこの時点ではいまひとつです。

 しかし使う側からすれば、大事な大事なレースです。桜花賞と同じ舞台、阪神競馬場の芝1600m(外回り)は、馬の資質・能力で着順が決まるところがある。たとえ勝てなくても、勝ち馬からどれぐらい離れているか。ライバルの順番付けを把握し、調教の指針になるからです。阪神JFである程度走れればクラシックへの道筋が見えてきます。

 関西馬にとっては輸送の心配もそれほどないので、1勝馬で抽選になっても、出られるものなら出たいレースです。

 勝つ条件は“完成度”ではなく“血統背景”。持って生まれた資質が大きいと思います。

 ひと昔前、2歳馬の初期調教は翌年のクラシックに照準を合わせていたものですが、セレクトセールの活況など情況のスピード化もあって、2~3か月ほど前倒しになった。本来、牝馬の資質を見定めるレースは桜花賞でした。それがいまは阪神JFになっています。

 トールポピーは新馬戦も2着(ただし1着は後に宝塚記念を勝つ牡馬アーネストリー)、前走の500万特別も勝てませんでした。3番人気ではありましたが、むしろ来春につながる走りを、との思惑がありました。

 中団後方からじっくり構え、直線で外に持ち出し、前方で繰り広げられた叩き合いを一完歩ごとに追い詰め、ゴール板手前でまとめて差し切った。強い勝ち方です。池添謙一騎手は新馬戦からの騎乗で、トールポピーの特長を出し切った。お父さんのジャングルポケット譲りの末脚を見せてくれました。

関連記事

トピックス

石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《24歳の誕生日写真公開》愛子さま、ラオス訪問の準備進めるお姿 ハイネックにVネックを合わせて顔まわりをすっきりした印象に
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン
中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
韓国・漢拏山国立公園を訪れいてた中黒人観光客のマナーに批判が殺到した(漢拏山国立公園のHPより)
《スタバで焼酎&チキンも物議》中国人観光客が韓国の世界遺産で排泄行為…“衝撃の写真”が拡散 専門家は衛生文化の影響を指摘「IKEAのゴミ箱でする姿も見ました」
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン