今でこそ、日常的にギョーザやワンタンが食べられていますが、農耕社会だった古代中国では、肉はめったに口に入ることのないご馳走でした。冬至のような特別な日のご馳走とすることで、人々は季節の巡りに感謝し、開運を願ったのでしょう。
一方、日本では冬至にかぼちゃを食べます。かぼちゃは夏野菜ですが、冬まで保存することができます。「冬至にかぼちゃを食べると風邪をひかない」といわれるのは、野菜が不足しがちな冬にカロテンを補給する効果があるからでしょう。
また、かぼちゃの鮮やかな黄色は太陽を連想させ、陽の力が回復する冬至にふさわしい食材です。
小豆のおかゆも冬至の朝の伝統食です。小豆の赤い色には、邪気を避ける効果があるとされ、中国の南方や台湾でも、冬至に小豆の餡が入った団子を食べる地域があります。
かぼちゃや小豆、ギョーザやワンタンのスープなど体を温めるメニューを家族でいただいた後は、ゆっくり入浴して体を温めましょう。
ゆず風呂に入るのは、丸くて黄色いゆずが太陽を象徴するから。太陽のパワーを食事と入浴で体内に取り込むことで、一陽来復の勢いをさらに強めることができます。
できれば、浴室の大掃除は冬至の日までに済ませておきましょう。そして、浴室には黒いアイテムを置かないこと。陰の気がこもってしまいます。すっきり清潔な浴室で一陽来復を念じてください。
※女性セブン2015年12月24日号