撮影の合間に、錦繍に染まった窓外の木立にふと目を留め、「キレイですね。わぁ、いいなぁ」と、もらした内田有紀(40才)。1月5日からスタートするドラマ『はぶらし/女ともだち』(NHK BSプレミアム、毎週火曜日23時15分~)の撮影を終えたばかり。追いつめられ、泥沼の日々を送る主人公を演じ、「このドラマでの芝居は、受け身だったので、撮影中はつらかったです。今は頭を空っぽにして、自然に癒されたいです」と、壮絶な現場を振り返る。
同作は、高校時代の女友達を一晩泊めたことから家も、仕事も、日常のなにもかもが浸食されていく心理サスペンス。それは恋愛にも飛び火して、好きな男性すらも奪われそうになる。劇中では女同士の息づまるバトルも見どころとなるが、もし実生活で友人と好きな人がかぶったら、どうするのか。
「闘うのもめんどくさいので、諦めたいです(笑い)。10代の頃には憧れや理想があったけれど、今はその執着がなくなった。じっくりつきあって真の絆が生まれると思うから、他の男性とその可能性があるのならば、そちらへ目を向けますね」
高校時代に思い描いた未来とは違う現実の葛藤も物語の鍵となるが、彼女自身もまたそのギャップに戸惑うことがあるという。
「私も主人公同様、結婚して母になる将来をイメージしていて、40才ではもうこの仕事をしていないと思っていました。こうしてお芝居に熱中しているなんて、真逆ですよね。予期せぬ展開に、まったく先が読めません! 人生これでよかったのかと、悩むこともありますよ。でも、その答えはきっと人生が終わる時までわからないんだろうし、悩みもしないで、これでよかったと思う人生もつまらないかな、って。だから悩むのも悪くないなと思っているんです」
撮影■中山雅文
※女性セブン2015年1月7・14日号