これは中山金杯でも同じことです。1、2月に長距離、短距離、ダートの重賞がある中、正月休みもなく2000メートルという中距離のために仕上げるのは陣営の決意の表われ。今年も角居厩舎は「決意表明」をする予定です。
金杯後は二つの3歳重賞を含む3日間の変則開催となります。でもウチはシンザン記念やフェアリーSには馬をほとんど使いません。12月の2歳GIレースと2000メートル重賞に出走したメンバーは自重し、新馬戦や未勝利戦を勝ったばかりの馬も出てくるとなれば、ここで走っても、どれぐらいのポジションにいるのかという評価につながりにくい。
賞金を加算するためというには相手が強いし、クラシックまで3か月あるのでここで仕上げると息切れしそうというのもあります。
もちろん、ここで勝ちきる馬は強いのですが、したたかに英気を養っている馬も多いのです。
●すみい・かつひこ:1964年石川県生まれ。中尾謙太郎厩舎、松田国英厩舎の調教助手を経て2000年に調教師免許取得。2001年に開業、以後14年で中央GI勝利数23は歴代2位、現役では1位(12月20日現在)。ヴィクトワールピサでドバイワールドカップ、シーザリオでアメリカンオークスを勝つなど海外でも活躍。競馬の他、馬文化普及や障害者競馬などにも尽力している。主な管理馬はほかにカネヒキリ、ウオッカ、エピファネイアなど。
※週刊ポスト2016年1月15・22日号