また、医師によってはセカンドオピニオン自体を嫌がる人もいる。診察に疑問を感じてセカンドオピニオンを申し出たところ、明らかに不満そうな表情を浮かべて、“それなら当院では診ない”“こちらが信用できないのか”と迫る医師は、実のところ少なくない。もっとも、そのような医師は、こちらから“願い下げ”だ。

 さらに、乳がんのセカンドオピニオンに不充分な点や気がかりな点があるとするならば、最初の病院の診断内容や医師に不安を感じた際、別の病院にセカンドオピニオンを聞きに行くのではなく、“別の病院に改めてかかる”というのもひとつの手だろう。

 もちろんこの場合、“2度刺し”のリスクを理解する必要がある。

 そうしたことからもわかるように、最初に診察してもらう病院はくれぐれも慎重に選ぶべきだ。良い病院を選ぶにあたって、検査、診察、手術の説明の際にチェックできるポイントがあるという。

「いいことや励ましばかりではなく、治療によってどんなリスクがあるか。副作用や合併症、最悪のケースなど、悪い要素までをきちんと説明してくれる医師を選びましょう。悪いことも説明できる病院や医師は、治療の過程で起こりうるリスクを多岐にわたって予測しています。医療事故に対しても真摯に予防策を講じていることが多いんです」(森田さん)

 診断の内容を疑う上で注意したいのは、「進行がんに間違われて必要のない手術を受ける」というケースだけでなく、「がんの疑いがあったけど、がんではなかった」という場合も同じだということ。

「乳がんは他のがんと違って腫瘍の大きさがとても小さい。進行がんでもわずか2cm、初期の段階では1cmや数mmです。マンモグラフィーや超音波、触診など一般的な乳がん検診で異常が見つかって針生検などの検査をしても、施術者の技術力が低ければ針ががん細胞に当たらず、結果が陰性と出ることも少なくありません。本当はがんなのに、発見されず放置されてしまうパターンも決して珍しくない。乳がんを診断できる医師が充実していない、ということも日本の課題です」(富永さん)

 乳がんの分野においては、「手術や投薬は儲かるけど、検査は儲からないし、乳がん診断の方法に新しい発見もないので、取り組む若手がおらず不足している」(都内で勤務する乳がん医師)ということが問題視されているのだ。

“儲からないからがんを見つけられない”…一部の医療現場では、乳房がそれほど軽い存在であるという事実を私たちは受け止めなければならない。そうすれば自ずと、日々のセルフチェックと女の病気に関する情報収集がいかに大切か見えてくるはずだ。

※女性セブン2016年1月28日号

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