国内

同じ本を2度買うと認知症? もの忘れと認知症の違い解説

 2012年の厚生労働省研究班の調査では、65才以上の認知症の患者数は推計15%、約462万人に達するとされる。さらに軽度認知障害(MCI)の高齢者も約400万人いると推計され、65才以上の実に4人に1人が認知症に直面している。

 この頃増えてきた「あれっ?」と思うこと。テレビを見ていても芸能人の名前が出てこない、むしろ誰が誰か見分けがつかない、忘れないようにメモをしたのにそのメモをどこに置いたか忘れる、そういえば昨日の夕飯はなんだっけ――。これってただの老化? それとも…。

 私たちの日常は「あれっ、これって大丈夫?」と不安になることで溢れている。

【アウト】同じ本を2度買う

「本屋さんに行ったら、好きな作家の新刊が出ていて、うれしくなって即買い。帰りの電車で読みながら帰って、家に着いたらAmazonから宅配便が届いていました。開けると出てきたのは、本屋で買ったのと全く同じ本。

 前日ネットを見ていて、ポチッとしたことをその時思い出しました。他にも、同じ雑誌を2冊買ってしまったり、漫画の新刊が出たと思って買ったらすでに持ってるやつだったり…。私、大丈夫かな」(東京都・45才・会社員女性)

 買ってすぐ気づくときもあれば、読み進んでいるうちにようやく気づくなど、同様の経験に悩む人は少なくない。桜川ものわすれクリニックの院長・山本大介さんが語る。

「これは認知症の症状の1つですが、一方で単なるもの忘れということもあります。見極めるポイントは、同じ失敗を繰り返すかどうかです。たまにやってしまうくらいなら、たまたま忘れてしまっただけでしょうけど、何度も何度も同じ間違いを繰り返すようだと認知症の可能性があります」

【セーフ】お風呂に入っていて、シャンプーしたかどうかを忘れる

 夜、お風呂に入っていて、髪の毛を濡らしたあと、ふと手が止まった経験はないだろうか。

「時々、“あれ、シャンプーしたかな?”ってわかんなくなることがあります。シャンプーしてないなって思って、もう1回シャンプーするんですけど、一緒に入っていた孫に、“また髪洗うの?”って言われてハッとしたり。リンスを流すのを忘れて湯船に浸かっちゃうこともあります」(福島県・58才・公務員女性)

 これと同じようなケースが、台所で起こることもある。「あれ、みりんはもう入れたかな?」

「砂糖、何杯入れたっけ」

 年をとればとるほど、そんなことが多くなるような気がするが、大丈夫なのだろうか。

「毎日、毎回といった頻度だと認知症の初期症状である可能性がありますが、そうでなければ老化現象、もの忘れの一種で問題ないでしょう」(山本さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された愛子さま(2025年5月8日、撮影/JMPA)
《初の万博ご視察》愛子さま、親しみやすさとフォーマルをミックスしたホワイトコーデ
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン