「もともと『鑑定団』は制作会社に丸投げで、テレ東が口を出すことはない特殊な番組でした。放送開始当初から、番組の方向性を決めていたのは司会の島田紳助さん(59才)。石坂さんを口説いたのも紳助さんですからね。でも彼は2011年に芸能界を引退。以来、Aさんの独断専行に歯止めがかからなくなったんです。
彼は鑑定をより専門的にして、教養色を強めようとした。当然それは、バラエティー色を排除することにつながります。司会のしゃべりやウンチクなんていらない。意向に沿わないスタッフはおのずと辞めていき、現場でAさんに意見を言う人は誰もいなくなりました」(前出・元スタッフ)
レギュラー鑑定士も、A氏の意向を汲む2人を残し、全員入れ替えとなった。番組改革を進めたいA氏にとって、最大の障害が石坂だった。
「石坂さんは誰よりも番組のことを考えていて、自分がいいと思ったことは貫く人です。加えて古参でギャラも高い。制作費を圧迫するうえ、思い通りにも動かない彼は“目の上のたんこぶ”だったんです」(テレビ関係者)
忘年会の因縁もある。彼の起用を後押しした紳助もいない。今こそ石坂を追放できないか──。その一手として始めたのが、出演シーンのカットだった。
「番組内での存在感を消してしまったわけです。結果、彼を映さなくなっても、そんなに視聴率は変わらなかった。“石坂なしでも番組は成り立つ”という思いが強まったのでしょう。コメントのカットはどんどんエスカレートしていった。
でも、石坂さんは賢い人ですから。嫌がらせをのらりくらりとかわし続けてね。今田さん相手に、わざときわどくて使いづらいコメントをしたり。“おれは自由なんだ”という彼のアピールがまた、Aさんの神経を逆なでしたのでしょう」(前出・テレビ関係者)
両者の溝は深まる一方となり、3月末での石坂の降板が決まった。後任はフリーアナウンサーの福澤朗氏(52才)となる。
※女性セブン2016年2月18日号