ライフ

香山リカ氏 「ちゃんこ鍋と弟」の思い出を語る

「ちゃんこ鍋と弟」の思い出を語る香山リカ氏

 寒い日が続くこの時期、家族で囲む食卓にピッタリなのは何といっても鍋料理だろう。北海道小樽市出身の精神科医・香山リカ氏が「思い出の鍋料理」を振り返った。

 * * *
 私は札幌生まれの小樽育ち、両親も釧路など港町の出身だったのに、父は何とサカナぎらい。その影響もあったのか、タラやサケなど魚中心の寄せ鍋でも必ず豚肉や鶏団子が入っていました。肉やサカナの出汁が出た鍋はなかなか複雑な味で、弟は小さな頃からシメにごはんを入れて必ず雑炊にしてました。

 その甲斐があってか、みるみる体重が増え、子ども相撲大会ではいつも優勝。北海道は当時、たくさん力士を輩出していたので、両親は「そのうち相撲部屋からスカウトが来て、本当のちゃんこを作るようになるのではないか」と半ば期待、半ば心配していましたが、スカウトは来ませんでした(笑い)。その後、上京してはじめて本格的な「ちゃんこ鍋」の店に行ったとき、「なんだ、本当に我が家の鍋そのものじゃない」と思った記憶があります。

 北海道らしさと言えば、やっぱりいくら父が苦手と言っても、海産物がたっぷり入っていたことでしょうか。タラやサケだけではなく、ホッキ、ホタテなどの貝やイカなどもどんどん投入されていました。父はもう亡くなりましたが、海産物をよけながら鍋から肉を引きずり出して食べていた姿をなつかしく思い出しますね。

※週刊ポスト2016年2月12日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿
《嘘、借金、遅刻、ギャンブル、事務所解雇》クズ芸人・小堀敏夫を28年間許し続ける相方・室田稔が明かした本心「あんな人でも役に立てた」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
日米通算200勝を前に渋みが続く田中
15歳の田中将大を“投手に抜擢”した恩師が語る「指先の感覚が良かった」の原点 大願の200勝に向けて「スタイルチェンジが必要」のエールを贈る
週刊ポスト
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
裏アカ騒動、その代償は大きかった
《まじで早く辞めてくんねえかな》モー娘。北川莉央“裏アカ流出騒動” 同じ騒ぎ起こした先輩アイドルと同じ「ソロの道」歩むか
NEWSポストセブン
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手
【「地面師たち」からの獄中手記をスクープ入手】積水ハウス55億円詐欺事件・受刑者との往復書簡 “主犯格”は「騙された」と主張、食い違う当事者たちの言い分
週刊ポスト
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト
4月24日発売の『週刊文春』で、“二股交際疑惑”を報じられた女優・永野芽郁
【ギリギリセーフの可能性も】不倫報道・永野芽郁と田中圭のCMクライアント企業は横並びで「様子見」…NTTコミュニケーションズほか寄せられた「見解」
NEWSポストセブン
ミニから美脚が飛び出す深田恭子
《半同棲ライフの実態》深田恭子の新恋人“茶髪にピアスのテレビマン”が匂わせから一転、SNSを削除した理由「彼なりに覚悟を示した」
NEWSポストセブン