本人に機器の存在を意識させないよう工夫した商品が「みまもりシューズ」(システムインナカゴミ)。靴の踵部分にGPSが内蔵されている。価格は6万9000円と高めだが、2年間のシステム使用料を含んでいる。
「見守り介護ロボット・ケアロボ」(テクノスジャパン)は、サービス付き高齢者住宅などに住む独居の認知症高齢者向けの商品。室内での動きを検知するセンサーのほか、本人が何か困った際に声に反応してコールセンターを呼び出す機能もある。
尾之内氏の所属する「認知症の人と家族の会」では、毎月1回、家族や本人を交えた交流会を開いている。
「認知症への対応策は家族によってさまざま、一通りではありません。同じ境遇の家族同士で情報交換すると、次はこれを試してみよう、という引き出しが広がり、希望も持てるはずです」
一つの家族だけでなく企業や共同体などを含めた社会全体で困難を共有していくことが、今後は必要になってくる。
※週刊ポスト2016年2月26日号