母親を知る同じ団地住人もこう証言する。

「団地づきあいはほとんどなくて、行事に顔を出したことはありません。お仕事もあったし何より息子さんにつきっきりで。お母さんすごく教育熱心でね。夜遅くに子供を怒る声が聞こえてきました。あそこは一人っ子ですから、息子さんにすごく期待していたんです。

 通っていた中学は地域でも優秀な子が集まるところで、入学時は、“良い環境の所に通わせることができた”って喜んでいました。少しでも偏差値の高い高校に進学させようとしていて、学歴へのこだわりが強かった。でも息子さんはサッカーに夢中であまり勉強には身が入らなかったみたい。“息子の成績がなかなか伸びない”って悩んでいました」

 父親は仕事が多忙で帰宅はいつも夜遅く、幸太朗くんの勉強を見るのは母親の役目だったという。彼女にとって、息子の高校受験はいつしか自分の子育ての集大成となっていった。

「塾以外ではつきっきりで勉強を見ていたそうです。息子さんからすると、そんな母親が重苦しくて、反抗してモノを投げたりすることもあったといいます。追い込み時期の昨年冬くらいからは、食器が割れるような、誰かが暴れる音がしょっちゅう聞こえてきました」(前出・母親を知る同じ団地住人)

 幸太朗くんが17日に受験したのは、大学進学率が80%を超える神奈川県中部の県立A高校だった。同校の入試は内申点よりもペーパーテストが重視される。インフルエンザの高熱と闘いながら受けたテストで実力を発揮するのは至難だった。入試後、幸太朗くんが落ち込んだのも無理はない。

 だが、仮に入試で失敗したとしても、母子で心中するほどの悪夢だろうか。彼の通う中学校関係者が告白する。

「合格発表は29日で、まだ結果はわかりません。試験はダメでも翌日の面接で彼の人柄が評価されたかもしれない。しかも、彼は2月初旬に第2希望の私立B高校を受けて、すでに合格しています。なぜ心中などという恐ろしい考えが生まれるのか…」

 受験における「母子一体化」がもたらした悲劇だった。

※女性セブン2016年3月10日号

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