モバイル向けのアプリやコンテンツ配信を行うDeNAも「CAFY」というユーザー編集型情報サイトを立ち上げた。連携する各メディアから切り出したコンテンツをユーザーが編集者のようにまとめるサイトだ。

 口コミサイト「食べログ」の「食べログmatome」は自社サービスへのユーザーの書き込みを他のユーザーでもまとめられるような仕組み。サイト内まとめとはいえ、国内83万店以上、書き込み総数1200万以上という膨大なデータを利用できるのは大きなアドバンテージではある。

 いっぽう、老舗の紙メディアも圧倒的な資産を武器に新しい展開を見せている。国内グルメ誌のトップランナー『dancyu』は通販を中心とした「dancyu.com(ダンチュウドットコム)」に加えて、昨年、紙面の再構成キュレーションメディアとも言うべき「日替わりdancyu」をスタートさせた。

 雑誌界を見渡しても、ライフスタイル誌の『東京カレンダー』『Pen』『GQ』などにおける「食」特集は専門誌と見紛うほど。北海道から鹿児島まで全国26の地域で発行される、各地の『食べる通信』に至っては、各生産者の一次産品がそのエピソードとともに届けられる。

「食メディア」に求められるものは「情報」か「体験」か。誰にとっても身近だからこそ、メディアの模索は続く。「食」のまわりをうろうろしている、ひとりの書き手として、まったく他人事ではない。

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