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超絶長い正式名称 ピカソ、バンコク、ロビンソン漂流記

バンコクの正式名称は超絶長かった!

 名前が長いため、それが略されるのは日常生活でもよくある話。「コンビニエンスストア」は「コンビニ」と略され、「スマートフォン」は「スマホ」と略される。一般的に知られている名前でも正式名称はとんでもなく長いことがある。

 たとえば、近代絵画の巨匠ピカソの本名は、パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセーノ・マリーア・デ・ロス・レメディオス・シブリアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソという。

 キリスト教の信徒がつける洗礼名のためにここまで長い名前になった。本人は「パブロ・ピカソ」と名乗っており、パブロが本人固有の名前、ピカソは母親の姓だった(ちなみにルイスが父親の姓)。

 18世紀の冒険活劇小説『ロビンソン漂流記』の初版のタイトルは『自分以外の全員が犠牲になった難破で岸辺に投げ出され、アメリカの浜辺、オルーノクという大河の河口近くの無人島で28年もたった一人で暮らし、最後には奇跡的に海賊船に助けられたヨーク出身の船乗りロビンソン・クルーソーの生涯と不思議で驚きに満ちた冒険についての記述』。

 初版はロビンソンがあたかも実在し自伝を書いたかのように装われていた。実際は作者であるイギリスの作家デフォーが、スコットランドの航海長アレキサンダー・セルカークが体験した遭難と4年4か月に及ぶサバイバル生活を元に小説化したものだった。

 これらの他にもタイの首都の「バンコク」の正式名称は、

「クルンテープ・プラマハーナコーン・アモーンラッタナコーシン・マヒンタラーユッタヤー・マハーディロックポップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリーロム・ウドムラーチャニウェートマハーサターン・アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシット」

「テロ対策特別措置法」の正式名称は、

「平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法」

 という。これほど長いと、略されるのも仕方はなさそうだ。

※週刊ポスト2016年3月18日号

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