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マイナス金利まとめ by NEWSポストセブン

  1月29日、日本銀行の黒田東彦・総裁は「マイナス金利」の導入を発表した。日銀の新たな金融緩和として注目を集めているが、果たしてこれが日本経済、そして私たちの生活にどんな影響を与えるのだろうか。(2016年3月30日更新)

 

◆マイナス金利とは何か?

 

 

民間の銀行が日銀に預けている当座預金金利の一部をマイナスに

「日銀が決めたのは、三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行など民間銀行が、日銀に預けているお金に対して0.1%のマイナス金利を適用することです。一般の人が民間銀行に預けるお金に適用されるわけではありません」(ニッセイ基礎研究所シニアエコノミストの上野剛志さん)

 

 

5分で読めるマイナス金利(日本銀行HP)

 

 

◆マイナス金利導入の狙い

 

「銀行は多くの資金を利子目当てで日銀の当座預金に預けていました。マイナス金利の導入によって、銀行はこれまでのように資金を日銀に寝かせておくのではなく、積極的に投資に回して経済を活性化させることが期待される。その狙い通りにいけば、株高の流れを後押しするでしょう。また、金利の低い通貨は売られる傾向が強いので今後は円安トレンドへと進み、輸出企業の業績を盛り立てることも期待される」(第一生命経済研究所・主任エコノミストの藤代宏一氏)

 

日銀から銀行へ「やるべきことをやれ」というメッセージか

「日銀が買いオペで国債を取り上げたら銀行は当座預金に回したので、今度は当座預金から利息を取り上げて、逆に手数料を払わせてカネを外に出させることにした。ところが銀行は自分で投資先なんて考えたくないから、リスクだリスクだと言うんです。手は3つある。1つは貸し出し、2つは株式投資、3つめは海外投資。つまり、銀行がやるべき当たり前のことをやれって話ですね」(元内閣参事官・高橋洋一氏)

 

今後はさらなる緩和策が採られる可能性もある

 黒田総裁は2月3日の講演で「追加緩和の手段に限りはない。日銀は今後とも、金融政策のイノベーションに取り組んでいく」と宣言しているのだ。

 

◆経済への影響は?

 

低金利が進めば、円安・株高が見込める

「マイナス金利の本当の狙いは『円安』にすることです。いっそうの低金利が進むことで通貨の魅力が損なわれるので、価値が下がります。円安になると、日本の輸出企業が潤って株価が上がります」(エコノミストの中原圭介さん)

 

その反面、物価上昇で国民負担増の懸念も

 円安になれば小麦、牛肉、チーズやワインなど輸入食品の価格が上がるので食費が高くなる。日本はエネルギー資源の大半を輸入に頼っているので電気代がアップする。海外のブランド品はもちろん高くなるし、海外旅行の費用も上がる。

 

中小金融機関にはダメージか

「地銀や信金など中小の金融機関は、リスクの高い融資を避けて国債による運用しかしてこなかった。そのため審査能力を失ってしまっている。地方の人口減も加わって、負のスパイラルに陥る可能性は高い。金融庁は昨年、合併や提携などを提案したが、“地方の殿様”である地銀は真剣に受け止めなかった」(金融ジャーナリスト・小泉深氏)

 

 

マイナス金利導入で金利全般が大きく低下

 

 

既にマイナス金利を導入している欧州のケース

 

デンマークでは住宅ローンを借りたらお金がもらえる状況に

「デンマークの例は特殊な条件下であって、実際に日本で住宅ローンのマイナス金利が起きる可能性は極めて低い。銀行は損をするだけなので、それならば貸し出さないほうが得だからです」(ニッセイ基礎研究所シニアエコノミストの上野剛志さん)。一方で、同様にマイナス金利を導入しているスイスでは、住宅ローン金利が逆に上昇している。

 

ATMなどの手数料引き上げに加え、年金運用にも影響

「マイナス金利を導入したヨーロッパ諸国では年金の運用がまともにできなくなり、スイスでは“将来、年金が支給されるかどうか”という事態に陥っています」(エコノミストの中原圭介さん)

 

 

◆個人で出来る資産防衛術

金庫が売れている

「金庫」がバカ売れだが注意が必要

 2015年10月のマイナンバー導入以降、人気急上昇。マイナス金利導入が拍車を後押しする。「『マイナス金利』は、あくまで日銀の当座預金の金利の話なのですが、“自分たちが預けている銀行の預金金利もマイナスになる”あるいは“銀行の経営が厳しくなって手数料が上がる”といったイメージから、タンス預金を志向する消費者が増えたと考えられます」(経済ジャーナリスト・荻原博子氏)。とはいえ、「単に低金利が不満なら、金利引き上げを打ち出した信用金庫などに口座を開設するほうが実利があります。家に大金を置くのは、盗難リスクがあることを忘れてはいけません」(同前)

 

金の値段が急騰

実物資産としての価値が見直され「金投資」が活況

 年初からの株価乱高下や為替の激しい値動きを尻目に、金だけは右肩上がりに上昇を続けている。金の国内価格は1月15日に1グラム=4140円の安値をつけてから、マイナス金利導入発表を挟んで3月に入り、同4544円まで急騰した。

 

地方銀行のネット支店 メガバンクの10倍の金利も

「オススメは金利の高い地方銀行のネット支店です。なかでも愛媛銀行四国八十八カ所支店、トマト銀行ももたろう支店、香川銀行セルフうどん支店はメガバンクの10倍以上の金利。地銀は経営状態が不安視されることもありますが、1000万円までなら預金が保証されるので心配ありません」(ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん)

 

「マイナス金利導入によって実際、住宅ローン金利は下がり始めています。三菱東京UFJ銀行はこの2月からの金利を年1.05%(10年固定型・最優遇金利)に引き下げました。これは過去最低の金利です」(ニッセイ基礎研究所シニアエコノミストの上野剛志さん)

 

住宅ローン乗り換えもお得か

住宅ローン「借り換え」のポイント

「マイナス金利の影響で、『フラット35』の返済期間『20年以下』タイプへの借り換えで、3月の金利は史上最低の1.02%です。固定金利なので、経済状況が変わったとしても最後の返済まで同じ金利のままと、安心できます」(ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん)。「目安となるのは、ローンの残り期間が10年以上で残高が1000万円以上、なおかつ借り換え先のローンとの金利差が1%以上あるケースです。これに該当すれば借り換えを検討する価値が充分にあります」(ファイナンシャルプランナーの横山光昭さん)

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