国内

NHK 国会中継で籾井会長のカンペ映さぬ「モミールール」

籾井勝人会長のカンペ放映はNG?(NHKのHPより)

「みなさまのNHK」のニュース番組には公平中立で、民放に比べて内容もしっかりしているという印象があるが、実は視聴者にひた隠しにされる、奇妙な“ルール”が数多く存在する。本当は「報道の不自由」だらけの裏事情を紹介しよう。

●籾井会長の“カンペ”は映さない「モミールール」
 かつてNHKは、番組制作費の不正支出問題などで海老沢勝二・会長が参考人招致(2004年)された時、国会中継をせずに批判を浴びた。

 それを反省してか、現在の籾井勝二・会長の下で発覚した数々の不祥事が国会で追及された際には、籾井氏の答弁の様子を中継している。

 しかし、「会長に後ろの席からメモを渡すNHK職員の姿が雑誌メディアに報じられたことがあった。なので答弁待ちの時は会長が映らないように気をつけている」(NHK関係者)というのだ(NHKは「ご指摘のようなルールはありません」と回答)。

●「反政府デモ」を放送する時には……
 原発再稼働や安保法制で広がった政府批判デモに対して、NHKはデリケートな対応を迫られている。

 当初、NHKはそうしたデモをニュースでほとんど取り上げなかった。だが、籾井会長の「政府が右と言っているものを左と言うわけにはいかない」という発言(後に撤回、謝罪)も相まって、怒った市民約1000人が昨年8月、2回にわたって「デモを報じないNHKを包囲するデモ」を行なうと“報道基準”を一変させた。

「今は重要なデモはきちんとニュースで報じている。ただし、同時に番組内で政府の立場・主張もしっかり取り上げることでバランスに配慮している」(30代NHK職員)

 たしかに3月25日の『ニュース7』を例にとると、保育制度拡充を求める国会前デモの映像を流す一方で、別のニュースとして安倍首相の待機児童問題での国会答弁、つまり「政権の言い分」も報じた。「報道しないで視聴者に怒りを向けられるのは怖いが、政府に睨まれるのはもっと怖い」というのがNHK流のバランス感覚なのだろう。

●『日曜討論』の発言時間は秒単位まで計測
 一方で、NHKの杓子定規な「政治的公平の原則」が伝わってくるのが『日曜討論』だろう。

 司会者が自民党から共産党、社民党まで出席者を順番に指名し、「原則、出演者は秒単位まで同じ時間発言させる」(NHK報道スタッフ)という徹底ぶり。ちなみに「画面には映らないが、『日曜討論』ではスタジオのカメラマンもスーツ着用が原則」(同前)だといい、そのクソ真面目な雰囲気もNHKならではか。

※週刊ポスト2016年4月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
《悠仁さま成年式》雅子さまが魅せたオールホワイトコーデ、 夜はゴールドのセットアップ 愛子さまは可愛らしいペールピンクをチョイス
NEWSポストセブン
LUNA SEA・真矢
と元モー娘。・石黒彩(Instagramより)
《80歳になる金婚式までがんばってほしい》脳腫瘍公表のLUNA SEA・真矢へ愛妻・元モー娘。石黒彩の願い「妻へのプレゼントにウェディングドレスで銀婚式」
NEWSポストセブン
昨年10月の総裁選で石破首相と一騎打ちとなった高市早苗氏(時事通信フォト)
「高市早苗氏という“最後の切り札”を出すか、小泉進次郎氏で“延命”するか…」フィフィ氏が分析する総裁選の“ウラの争点”【石破茂首相が辞任表明】
NEWSポストセブン
万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン