●薬が少なくて済むのはどっちか
前出の大櫛氏が続ける。
「糖尿病患者でインスリン分泌促進剤や速効性インスリンを服用している人は注意が必要です。低血糖発作を起こさないように医師と相談してください」
一方で、糖質制限推奨派の江部康二氏(高雄病院理事長)は、「そもそも糖質制限なら薬の量を減らせるケースがある」と説明する。
「糖質を摂って血糖値が上がるから、薬で下げる必要が出てくる。糖質を制限すれば、その必要がなくなるわけです。薬が合っている患者に糖質制限を強要することはありませんが、薬の量を少しずつ減らしながら、徐々に糖質制限食に切り替えるように指導しています」
カロリー制限の場合、飲んでいる薬に絡んだ懸念要素はあまりない。
●どちらがたくさん酒を飲めるのか
糖質制限で理想的とされる摂取量は1日130グラム以下、1食あたり20~40グラムとされる。
ビール1缶(350ミリリットル)で約150キロカロリー、糖質は11グラムほど。焼酎やウィスキーは1杯約150キロカロリーで、糖質は含まれない。
つまり、カロリー制限する場合は大敵となるが、糖質制限の場合、種類を選べば飲んでもいいということになる。基本的に蒸留酒は糖質ゼロだ。
※週刊ポスト2016年4月15日号