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フランスで起きたヘラクレス像珍事件がもたらす教訓とは

 ほかにも、この騒動からたくさんの大切なことを学べます。すっかり放浪癖がついてしまっても、市当局はヘラクレス像を柵で囲ったりはせず、市民と自由に触れ合えるままにしました。問題は、要するにアソコだけです。必死で囲い込もうとすると、全身丸ごと奪われてしまうかもしれません。浮気性のパートナーを持った女性も(男性も?)、市長局のように自由を奪いすぎないほうが結果的に被害は少ないでしょう……たぶん。

 ビジネスにおいても、この市長のコメントは大いに参考になります。得意先に取引価格の値上げを交渉するときは、「じつは、我が社の社員の人間としての尊厳が危険にさらされているという現在の状況を憂慮して、ひとつお願いがあるんですが」と切り出しましょう。大げさに言うことで「それはたいへんだ。なんとかしないと」と思ってもらえます。

 本題を切り出して、相手が渋い顔をしたら「私は、こういうお願いをせざるを得ない事態が二度と起こってほしくないと切に思っております」と詰め寄りましょう。意味はよく分かりませんが、相手は迫力を感じて「そこまで言うなら」と了承してくれるはず。逆に価格の値下げを要求したいケースでも、同じ論法で相手を説得できます。

 日本にいる私たちはこうして教訓を得ることしかできませんが、フランスに住んでいたりフランスに縁がある人にとっては絶好のビジネスチャンス。今すぐアルカション市に行って、「ヘラクレスのアソコ」というお土産を作って売り出しましょう。壁に着脱できるようにするもよし、握ると「キュー」と音が出るようにするもよし。SSからXLまで、いろんなサイズを取りそろえるのも一興です。

 市長は粋な方みたいなので、市の公認グッズとして名物にするのもいいですね。アルカション市なので、水鉄砲にして「アルキション」と名付けるとか。日本語の微妙なシャレが通じるかどうかが問題ですけど。ともあれ、いろんな人がいじりまくれば、どんどん大きなビジネスにふくらんでいくでしょう。なんせ……(以下略)。

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