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読テレ清水健アナ 医療支援の基金設立「情報の共有が支え」

医療支援の基金を設立した読テレ清水健アナ

 読売テレビの夕方の報道番組『かんさい情報ネットten.』のメーンキャスターである清水健アナウンサー(40才)を激励するためのイベント「清水健を励ます会」が4月30日、大阪府堺市のホテル「アゴーラ・リージェンシー・堺」で開催された。

 乳がんのため29才の若さで亡くなった妻・奈緒さんとの闘病生活を振り返った手記『112日間のママ』が話題となっている清水アナ。妻を失った悲しみを乗り越え、前向きに進もうとする“シミケン”を励ますべく、清水アナと親交が深いタレント、円広志やメッセンジャーあいはら、清水アナと古くからの知り合いであるボクシングの井岡一翔選手のほか、仕事仲間や友人、出版関係者など250人が集まった。

 清水アナと奈緒さんは、2013年5月に結婚。2014年3月に奈緒さんは妊娠するも、同年4月に乳がんが発覚した。奈緒さんはがん治療を行いながら、10月に長男を出産したが、すぐに体調が悪化。2015年2月に亡くなった。

 より多くの人々に、「病」と闘うということ、大切な人の「命」と向き合うということはどういうことかを届けたいという清水アナの想いから、『112日間のママ』は映像化され、「励ます会」でも上映された。そんな『112日間のママ』について、清水アナは「励ます会」でこう語った。

「経験しない方がいいに決まっていますが、経験してしまったからこそわかることがあるのかもしれません。ひとつに、闘病しているときは、情報を共有することが支えになる時があるんです。だから、ぼくはたまたまキャスターという仕事で、皆さまに情報をお届けできるという立場にいますので、ひとりでも多くの人の支えになれる存在になれればいいなと思います」(清水アナ)

 ちなみに、『112日間のママ』の執筆を清水アナに勧めた一人は、スタイリストだった奈緒さんと交流があった、芸能コラムニストの山田美保子さんだ。山田さんは「励ます会」にも出席し、

「奈緒さんには大変お世話になっていました。明るく元気だった奈緒さんのことを本に残して欲しかったし、シミケンさんに書くことで前を向いて欲しかった。だからこそ、本を書くことを勧めたんです」

 と、出版の裏話を明かした。

 発売3か月で発行部数12万部を超えるヒット作となっている『112日間のママ』。そこで清水アナは、『112日間のママ』の出版印税などをもとに、新薬開発や難病対策などに取り組む団体や個人を助成するための「一般社団法人清水健基金」を立ち上げた。

「励ます会」では、第1回の寄付目録贈呈式も行われた。贈呈先となったのは、神戸市にある小児がんと闘う子供たちの専門施設「チャイルド・ケモ・ハウス」。奈緒さんが、清水アナと子供と3人で最後の時間を過ごした場所だ。

「今のぼくにできること、小さいことからかもしれませんが、少しでもエールを贈ることができればとの想いで基金を立ち上げました。答えは聞けませんが、妻からの宿題のひとつなのかもしれません。この基金は、ぼくはお金だと思っていません。ぼくは“想い”だと思っています。これからも日本のいろんなところで、この“想い”を広げていきたいと思っています」(清水アナ)

「チャイルド・ケモ・ハウス」のように、最後の時間を家族と一緒に過ごせるような医療機関はまだまだ少ないという。同院の楠木重範院長は「清水さんと奈緒さんの意志を受け取って、これからも頑張っていこうと思います」とコメントした。

 未来に向かってアクションを起こしている清水アナだが、妻の死を乗り越えることはそう簡単なことではないようだ。「励ます会」の最後の挨拶で、こんなつらい心境を吐露している。

「正直、悲しみというものは簡単に癒やされるものではありませんし、悔しさも残っています。もっと何かできたんじゃないかな、もっとやれることがあったんじゃないかと、ずっと思い続けています」

 そんな清水アナの支えになっているのは、やはり友人や仕事仲間たちだ。

「でも、今日このように多くの方々に集まっていただきました。一歩ずつかもわかりません。でも、必ず前に進んで“こんなぼくにもできることがある”というその想いをしっかりと皆さんに届けていきたいなと思っています」

 前向きな言葉で締めくくった清水アナだった。

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