国内

メディアのオーナー多い地方財閥 中日新聞や河北新報もそう

 歴史の教科書では「日本の財閥は戦後に解体された」と記されている。だが、戦後70年経ったいまも日本経済の中心にあり、その浮沈の鍵を握るのは紛れもなく「財閥」なのだ。そのなかには、創業した土地に根差した商売で財をなし、その地域社会に影響力をもたらす「地方財閥」が全国にある。地方財閥には、メディアのオーナーである家も多い。

 その代表が中日新聞の創業一族で二大オーナーである大島家と小山家だ。同紙は中京地区の購読シェア約70%を誇る日本最大のブロック紙で、東京新聞、北陸中日、日刊県民福井や中日スポーツを傘下に置き、東海テレビの他、東京MX、石川テレビ、福井テレビの大株主でもある。

「もともと『新愛知新聞』と『名古屋新聞』が戦時統合して生まれたのが『中日新聞』で、新愛知の大島家と名古屋新聞の小山家の2大オーナーがいまも社長の上に顧問として君臨しています。実務を行なうのは社長だが、大局的な判断はその上のオーナー家が合議する。2つのオーナー家が相互監視しながら顧問として目を光らせているんです」(中日新聞関係者)

 一方、仙台を中心とする東北地方のブロック紙・河北新報のオーナーが一力家だ。こちらも宮城県内でシェア70%以上を誇り、グループに東北放送がある。かつて仙台では河北新報が手がける大相撲の「仙台準場所」が行なわれ、中日新聞の名古屋と本場所誘致を争った因縁がある。

 前社主の一力一夫氏(故人)は武道の達人で横綱審議委員長も務めた。「オレがもう少し早く社主になっていれば仙台場所が本場所になっていた」というのが口癖だったという。

 ちなみに島根県雲南市の田部(たなべ)家は地元紙とテレビ局の、福岡県飯塚市の麻生財閥は福岡のRKB毎日の大株主であり、地方財閥と地元メディアは密接な関係を築くケースが多い。

※週刊ポスト2016年5月6・13日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

永野芽郁に業界からラブコール
《金髪写真集をフィリピンで撮影済み》永野芽郁、すでに民放キー局から「連ドラ出演打診」も…今も業界から評価される「プロ意識」
NEWSポストセブン
お召し物のカラーとマッチしたイヤリング(2025年10月2日、撮影/JMPA)
《あっという間に》「また“佳子さま売れ”」香川ご訪問で着用の漆のイヤリングが売り切れ状態に 紀子さまは刺繍のイヤリングをお召しに
NEWSポストセブン
予選落ちした渋野日向子(AFP=時事)
《予選落ちで大泣きの渋野日向子》米ツアーのシード権は厳しい状況…日本ツアースポット参戦の結果次第で来季は日本の3年シードがスタートになる可能性も
NEWSポストセブン
『ばけばけ』でヒロインを務める高石あかり
【インタビュー】朝ドラNewヒロイン・高石あかり「『ばけばけ』は攻めた作品ですが、怖さはありません」 抜擢を知った瞬間は「記憶がないくらいの喜びで頭が真っ白に」 
NEWSポストセブン
『ばけばけ』でヒロインを務める高石あかり
【インタビュー】朝ドラNewヒロイン・高石あかり「『ばけばけ』は攻めた作品ですが、怖さはありません」 抜擢を知った瞬間は「記憶がないくらいの喜びで頭が真っ白に」 
NEWSポストセブン
田中将大の来季はどうなる
巨人・田中将大、200勝達成で気になる来季の去就 「現役引退」か「大幅減俸で現役続行」か、コーチ兼任を期待する声も
週刊ポスト
一般の人々が公務中の皇族を撮影することはマナー違反なのか。宮内庁に取材した(時事通信フォト)
《「非礼ではないか」の声も》宮内庁が回答した「一般の方々」の“撮影・投稿ルール” とは…佳子さま“どアップ”動画に称賛も、過去には“寝顔盗撮”が問題に
NEWSポストセブン
“ラブホテル通い”を認めた小川晶・前橋市長
《前橋市長が利用した露天風呂付きラブホ》ベッド脇にローテーブルとソファ、座ると腰と腰が密着…「どこにどのように着席して相談したのか」疑問視される“部屋の構造”
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《自分の身体で稼いだものだ》「タダで行為できます」金髪美女インフルエンサー(26)、離婚手続きで夫サイドと資産めぐり対立「一部が分配されるべき」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
「家に帰るのが幸せ」大谷翔平がリフレッシュする真美子さんとの“休日”「スーパーにお買い物に行ったり…」最近は警備強化で変化する「デコピンの散歩事情」
NEWSポストセブン
高市氏、小泉氏
自民党が進める“日本維新の会との連立交渉”に2つの壁 維新が連立条件に掲げる「大阪副首都構想」は自民党内の大きな火種に、大阪で対立する公明も強い難色
週刊ポスト
草間容疑者は新宿区内の雑居ビルエントランスで逮捕された
《マスク姿でウロウロ…》草間リチャード敬太容疑者が逮捕前に見せていた“不可解な行動”とは 近隣店従業員が「一見酔っている様子はなくて…」と語る“事件直前の姿”
「週刊ポスト」本日発売! 朝日新聞を襲う「森友ブーメラン」スクープほか
「週刊ポスト」本日発売! 朝日新聞を襲う「森友ブーメラン」スクープほか
NEWSポストセブン