スポーツ

五輪ゴルフ代表候補・野村敏京 日本語話す機会ほどんどない

日本語は苦手?(USLPGAのHPより)

 8月開催のリオ五輪で112年ぶりに復活した男女ゴルフ(個人戦)の代表選考が日本ゴルフ界の重大関心事になっている。ゴルフ競技の代表選考は特殊で、他の競技のように国内の競技団体が選考する形式ではない。国際ゴルフ連盟が定めた五輪ランキングの上位者が自動的に選ばれ、各国の上位者2人が代表となる。

 五輪ランキングは原則として世界ランキングに準じるが、男女各60の出場枠を各国に割り振るにあたり、「【1】世界ランキング上位15人は優先的に出場資格を得られるが、1つの国からの出場は4人まで」「【2】16位以下の選手については、【1】で資格を得た選手も合わせて、1つの国からの出場は2人まで」といった条件がある。

 現状、男子は松山英樹(世界ランク11位。5月2日時点。以下同)がほぼ当確(2番手は池田勇太の33位)。そして女子代表の座に最も近いのが、4月24日に米ツアー2勝目を挙げて世界ランク23位となった野村敏京(はるきょう)だ。ゴルフ誌記者が語る。

「今年2月の米ツアーで初優勝し、間を開けずに2勝目。宮里美香(41位)や宮里藍(80位)、横峯さくら(77位)らの成績が低調な中、米ツアーを席巻する韓国勢に対抗できる唯一の日本人選手ですが……」

 記者が複雑な表情を浮かべるのには、こんな理由がある。

「日韓のハーフの野村は日本で生まれた後に5歳から高校卒業まで韓国で過ごしていたので日本語をほとんど喋れない。2011年に日本ツアーで勝利しましたが、その時の優勝インタビューは“ギャラリー、皆さん、ありがとうございました。私、ちょっと日本語うまくないので……でも、感謝の気持ちはおっきいです”でした。同年に日本国籍を選択したものの、主戦場は米ツアーなので、今も日本語を話す機会はほとんどありません」(同前)

 他の競技にも「日本語を話せない日本代表」はいるが、その多くは団体競技の一員。個人競技で、しかもビジネススケールの大きいゴルフだけに事情は複雑だ。

「五輪採用を機にゴルフ人気の盛り上がりを期待している中、日本語を話せない野村が代表になってもCM起用は難しい。人気の高いW宮里や横峯の代表入りを望むゴルフ関係者は多いが、肝心の成績が伴わなければどうしようもない」(ゴルフメーカー営業担当)

 ついにはこんな恨み節まで飛び出した。

「日本語堪能で、日本ツアーで圧倒的人気のイ・ボミは世界ランク15位ながら、上位の韓国人選手が多いために代表から漏れる可能性が高い。それなら日本ツアーを主戦場とする彼女を日本代表にしてもらいたいというのが本音です」(同前)

 そんなことが叶うはずもないのだが、五輪ゴルフを一大商機としたい日本ゴルフ界の溜め息は大きいようだ。

※週刊ポスト2016年5月20日号

関連記事

トピックス

映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
日本初となる薬局で買える大正製薬の内臓脂肪減少薬「アライ」
日本上陸の内臓脂肪減少薬「アライ」 脂肪分解酵素の働きを抑制、摂取した脂肪の約25%が体内に吸収されず、代わりに体内の脂肪を消費
週刊ポスト
専修大サッカー部を辞任していた源平監督(アフロスポーツ)
《「障害者かと思った」と暴言か》専修大サッカー部監督がパワハラ・経理不正疑惑で辞任していた 大学は「警察に相談している」と回答
NEWSポストセブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本製鉄によるUSスチールの買収計画
【日本製鉄のUSスチール買収問題】バイデンもトランプも否定的だが「選挙中の発言に一喜一憂すべきではない」元経産官僚が読み解く
NEWSポストセブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
わいせつな行為をしたとして罪に問われた牛見豊被告
《恐怖の第二診察室》心の病を抱える女性の局部に繰り返し異物を挿入、弄び続けたわいせつ精神科医のトンデモ言い分 【横浜地裁で初公判】
NEWSポストセブン