国内

経歴疑惑の日銀審議委員 官邸はパペット役として選んだか

経歴詐称疑惑の櫻井眞氏(日銀HPより)

 4月から日本銀行政策委員会の審議委員に就任したばかりの櫻井眞氏(70)の経歴に様々な疑惑が発覚した。日銀のホームページに掲載された櫻井氏のプロフィールには、中央大学経済学部を卒業後、〈昭和51年3月 東京大学大学院経済学研究科博士課程修了〉とあるが東大に博士論文は存在しなかった。

 さらに『ケインズ的経済成長の動学的性格』と題された櫻井氏の東大での修士論文が目次を含めて400字詰め原稿用紙にわずか「4枚」だったことも判明した。

 櫻井氏の来歴には、その他にも不可解な点がある。日銀HPによれば、櫻井氏は大学院を出た後、1976年に政府系の日本輸出入銀行(現国際協力銀行)に入行、1984年から「大蔵省財政金融研究室特別研究員」を務めたとされている。

 しかし、大蔵省(財務省)の1984年の職員録を調べても同研究室の職員に櫻井氏の名前は見当たらなかった。財務省秘書課の説明だ。

「保存されている30年分(1986年以降)の行政文書の記録を調べても櫻井氏が(日銀HPに記載されている時期に)財政金融研究所(1985年に改称)に在籍していた記録は確認できなかった。そもそも『特別研究員』という役職も確認できていない。ただし、1990~96年に、同研究所で非常勤、原則無給の特別研究官をされていた記録はありました」

 つまり、「1984年から大蔵省の研究所の特別研究員だった」という日銀HPの記載に疑問が生じてくるのである。そのことを重ねて聞くと、財務省の担当者は、「僕ら(財務省)がHPに書いたことなら答えられますが、日銀さんかあるいはご本人(櫻井氏)が書いたわけですから、コメントのしようがないです」と困り果てていた。

 一連の問題について聞くべく櫻井氏の自宅を訪ねたが、本人がインターホン越しに「取材は広報を通すようにいわれている」と答えるのみ。日銀広報課に質問すると、こんな答えだった。

「櫻井委員は東大博士課程を単位取得退学したと聞いています。HPにも『博士号取得』とは書いていない」

 その表記や他の経歴の問題を聞いても「それ以上答えられない。修士論文についてもノーコメント」との回答だった。こんな混乱が起きるなど、普通では考えられない。

関連キーワード

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン