近くに孫がいなければ、地域の保育ボランティアやシルバー人材センターに登録するのも一手という。もちろん夫婦一緒の時間を制限する一方で、できる限り夫婦関係を円滑にする努力も必要だ。

「ただし、特別なイベントを作る必要はない。たとえば妻を海外旅行に無理矢理誘っても、旅先でお互いのストレスを増やすだけ。女性は、気を遣う夫より気の合う同性と旅するほうが楽しいんです。“まずはスキンシップ”と強引にセックスに誘うのも、かえってストレスになりかねない」(石蔵医師)

 夫源病にしろ妻源病にしろ、“特効薬”はない。普段からのコミュニケーションが重要なのだ。夫婦問題カウンセラーの高草木陽光氏はこうアドバイスする。

「60代以上の男性の多くが苦手とすることではありますが、奥様に“ありがとう”や“ごめん”という言葉をきちんと伝えることが何より重要です。朝晩の食事の時間だけしか会わないとなれば、その時の会話が何より大事。“美味しかった”というのも素晴らしい感謝の言葉です」

 一日中顔を突き合わせていると、どんな夫婦もお互いの欠点が気になるもの。しかし夫婦が一緒にいる時間を制限して、1日3時間、長くて5時間までと時間を区切れば、新鮮さと緊張感を持って付き合えるはずだ。

※週刊ポスト2016年5月27日号

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