ツイッターのブロックと並び事件発生の要因として、いったん贈ったプレゼントが送り返されてきたことが報道されています。プレゼントについては、トラブル回避のためガイドラインを設けているアイドルや事務所が多く存在します。
食べ物(何かが混入している可能性があるため)、高価なもの(送り主が特別な対応を求める可能性があるため)、アクセサリー(他のファンが嫉妬してトラブルになる可能性があるため)、ぬいぐるみ(カメラや盗聴器が仕掛けられている可能性があるため)を送らないように呼びかけたり、受け取りを断る等々です。今回の容疑者が送ったもののうち「腕時計」は断られることが多い物品だと思われますが、「本」を規制の対象にしているアイドルや事務所は、聞いたことがありません。だからといって、規制品目を増やすことが、問題解決につながるとは思えません。
私は今まで、すべてのプレゼントを受け取ってきました(現金は返そうと思っていますが、経験なし)。幸い良識あるファンのおかげで困ったことはありません。特に問題視されがちな高価な贈り物も、好意を示すためではなく、高級なお酒やケーキを持って行くことで、居合わせたファンも含め、その場を盛り上げてみんなで楽しみたいという意図があったりします。実際に、その場にいる送り主以外のファンの人も一緒に封をあけて楽しむこともあります。
問題はプレゼントの内容ではなく、送り主の気持ちです。たとえば、楽しみたい、楽しませたいという気持ちがあったはずなのに、見返りを求めての下心が膨らんでしまうことがあります。普段からきちんと接することで相手の変化に気がつけるため、防犯やトラブル回避に繋がると考えられます。困ったり、危険を感じたりした時に、落ち着いて対処できるような心構えも重要です。どんなに努力しても話が通じない状態だ、と周囲にも知らせておけば、防げることが増えるはずです。
地下アイドルでも、一部の熱心なファンの好意を無下にできず、中途半端に甘く対応しているうちに、ファンが勘違いしてトラブルに発展しかけることはあります。小金井市での事件の場合、事前に警察にも相談には行っていますが、今後もこのような事件が繰り返されないように、アイドルとファンが、ファンとファン同士が、より一層絆を深めて、現場の治安を保っていかなければなりません。
普段の地下アイドルの現場は、誰でも受け入れてくれる懐の深いところです。地下アイドルにとっても、ファンにとっても居場所になっています。地下アイドルと活動形態は異なりますが、きっと冨田さんが活動していたライブ会場も、そういう場所だったと思います。ツイッターなどのSNSも、本来はファンと交流できる貴重で楽しいツールです。
私もひとりの人間として恐怖心はあります。しかし、悩みながらも地下アイドルの仕事を続けていくつもりです。