国内

保守系雑誌の分裂騒動 業界関係者が事の顛末を説明

保守系雑誌に分裂騒動(『WiLL』と『Hanada』)

 今年はなにかと「分裂騒動」が話題だが、出版業界も例外ではない──。ともに赤地に白抜きの雑誌名、“保守テイスト”の記事タイトル。あまりにも似すぎている二つの月刊誌、『WiLL』(ワック刊)と『Hanada』(飛鳥新社刊)の6月号が同日発売で書店に並ぶ様を見て、戸惑った人もいたはずだ。

 出版業界関係者が今回の「騒動」を説明する。

「3月に『WiLL』の名物編集長だった花田紀凱氏がワックの鈴木隆一社長と対立し、編集部員を丸ごと引き連れて飛鳥新社に電撃移籍。花田氏はレイアウトから執筆陣までソックリで、発売日も同じという雑誌を立ち上げた」

 花田氏がネットで「鈴木社長から“部員一同を連れてどこかの会社に移ってくれ”と言われた」と主張すれば、ワックはHPで「花田氏が会社の業務命令に従わなかった」と説明し、双方の言い分は真っ向対立。泥沼の分裂騒動となった。

 困惑したのが執筆陣や広告主のクライアントだ。ある執筆者はこんなお願いを両社からされたそうだ。

「花田氏側から“今後は飛鳥新社でお願いします”という連絡があり、その直後にワックから“新雑誌は『WiLL』と無関係。向こうで書かないで”と引き止められた。結局はどちらでも書くことになりました」

 ちなみに6月号の両誌の執筆陣を見ると、櫻井よしこ氏、西尾幹二氏、加地伸行氏ら保守系の重鎮がかぶっているが、西尾氏はいたって冷静だ。

「今回の問題は、別にイデオロギー対立が起こって雑誌が分裂したというような話ではなく、社内事情の問題で分かれたわけでしょう。だから寄稿する側としては中立です」

 広告では、ほぼ毎号出稿していたアパレル会社が『WiLL』から『Hanada』に乗り換えており、今後はクライアントの奪い合いも起きるかもしれない。

 騒動についてワックは「非常に多忙でコメントできない」とし、花田氏は「もう過ぎたこと。いまさら言いたいことはない」とコメント。

“保守雑誌戦争”の決着やいかに。

※週刊ポスト2016年6月3日号

関連記事

トピックス

昭和館を訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年12月21日、撮影/JMPA)
天皇ご一家が戦後80年写真展へ 哀悼のお気持ちが伝わるグレーのリンクコーデ 愛子さまのジャケット着回しに「参考になる」の声も
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
《ジャンボ尾崎さん死去》伝説の“習志野ホワイトハウス豪邸”にランボルギーニ、名刀18振り、“ゴルフ界のスター”が貫いた規格外の美学
NEWSポストセブン
西東京の「親子4人死亡事件」に新展開が──(時事通信フォト)
《西東京市・親子4人心中》「奥さんは茶髪っぽい方で、美人なお母さん」「12月から配達が止まっていた」母親名義マンションのクローゼットから別の遺体……ナゾ深まる“だんらん家族”を襲った悲劇
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
1年時に8区の区間新記録を叩き出した大塚正美選手は、翌年は“花の2区”を走ると予想されていたが……(写真は1983年第59回大会で2区を走った大塚選手)
箱根駅伝で古豪・日体大を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈3〉元祖“山の大魔神”の記録に挑む5区への出走は「自ら志願した」
週刊ポスト
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
〈タバコに似ているとの声〉宮内庁が加湿器と回答したのに…秋篠宮さま“車内モクモク”騒動に相次ぐ指摘 ご一家で「体調不良」続いて“厳重な対策”か
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト
米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン