東京ドーム5個分、23ヘクタールもある築地市場の跡地利用については、中央区の矢田美英区長が「野球場やサッカー場などのスポーツ施設やテーマパークもいい」と述べ、東京都の舛添要一知事は「水辺で美味しいものを食べるデートスポット。エンターテインメントの場所が一番いいんじゃないか」という考えを示したと報じられているが、今のところまだ何も決まっていない。
もともと私は築地市場の跡地に新しいビルを建設する場合でも、1階は今の市場のファサードを残し、マグロの競りや場内市場の食堂街のにぎわいを維持することを提案していた。そのコンセプトをさらに絞り込み、サン・セバスチャンのように気軽に食べ歩きができるバルが軒を連ねた「ちょい飲み街」を作ればよいと思うのだ。街並みを江戸時代風にするという手もあるだろう。そうすれば、国内からも海外からも観光客が詰めかけるに違いない。
すでに「Tsukiji」は、外国人にも日本を代表する美食エリアとして知られている。志ある人がいたら、ぜひ築地市場跡地のサン・セバスチャン化=「築地セバスチャン」計画を推進していただきたい。
※週刊ポスト2016年6月3日号