放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、ジャニーズJr.の歴史をひも解く。
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ジャニーズのファン用語の中に“バック担”というのがある。バック担当=アーティストのバックで踊っているジャニーズJr.を熱烈に応援しているという意味だ。
昨今、兄弟ものまね芸人のジャガーズが、そのジャニーズJr.に着目し、先輩たちのステージで華麗に踊るだけでなく、着替えを手伝ったり、サインボールを渡したり、演出により水浸しになった床をモップで拭いたりするさまを完コピ。ジャニーズのファン以外の層にも、ジャニーズJr.の存在と役割が広く知れ渡った。
現在、「シアタークリエ」(東京・千代田区)では、『ジャニーズ銀座』という演目が行われている。これは、60年代〜70年代、「ウエスタンカーニバル」で若い女性たちを熱狂させた「日劇」を有した銀座の近くで、やはり当時の若者が通い詰めた「ジャズ喫茶」をイメージして、ジャニー喜多川社長が企画したもの。メインはジャニーズJr.である。
先輩たちの背中を見ながら日々勉強し成長しているジャニーズJr.の数は、東京や関西で研修生を合わせると数百人とも1000人とも言われるほどの大所帯。Jr.がステージのメインでパフォーマンスする『ザ少年倶楽部』(BSプレミアム)に出演できるのはほんの一握りだし、名前のテロップを出してもらえるメンバーの数はさらに少ない。
そんな中、グループを結成し、ジャニー社長から名前を付けてもらっている10組のユニットが日替わりでパフォーマンスを見せているのが『ジャニーズ銀座』なのである。
当時の「ジャズ喫茶」と共通しているのは、ステージと観客の近さ。アーティストが客席まで降りてきてファンにサービスする様子も酷似している。
4月29日、「HiHi Jet」「Classmate J」から始まったステージは、5月31日、「Love-tune」で千穐楽を迎える。出演しているのは他に「Travis Japan」「天才Genius」「MADE」「Prince」「Snow Man」。「They武道」「SixTONES」ら。ジャニーズファンでない方たちにとっては初めて耳にするグループ名ばかりだと思う。
それぞれに売りや武器があり、キャリアやメンバーの個性もさまざまながら、各回に数枚あるかないかの当日券を求め1000人近くものファンが会場のシアタークリエの周りに行列を作るのは、いまや銀座の春の風物詩だ。