ライフ

『国家の品格』藤原正彦氏が「糖質制限ライス残し」に嫌悪感

「糖質制限ライス残し」に嫌悪感も

 最近、巷の定食屋や外食チェーン店で「ライスを残す客」が増えているという。東京・江東区のあるファミレス店員がいう。

「若い女性客だけでなく、中高年の男性客にも定食やランチのご飯を残す方が多いんです。お腹いっぱいで食べきれないのではなく、明らかにわざと残している。“お米は太るからね”とおっしゃる人もいました」

 背景には糖質制限ダイエットの流行がある。定食などのご飯をあえて半分残すことは「半分ダイエット」と呼ばれており、テレビや雑誌で推奨されることが少なくない。

 先月の人間ドックで「メタボ」と診断された40代会社員も、「健康のために実践しています。おかげで1か月で1キロほど減量できました」と胸を張る。

 しかし、この潮流に顔をしかめる人がいることも事実だ。中高年の読者諸兄には、子供の頃から「お百姓さんが丹精込めて作ったお米を粗末にすると目が潰れるぞ」と両親に厳しく教育されてきたという人も多いだろう。しかし今や、中高年にすら「ご飯を残すことへの罪悪感」が消え失せようとしているのだ。

 ベストセラー『国家の品格』(新潮新書)の著者である数学者・藤原正彦氏は、この状況に強い嫌悪を抱いている。

「これは現代社会における利己主義の悪しき現われです。『ダイエットのため』というのは金科玉条に聞こえるが、それはあくまでも自分本位の考え方。そこには『社会』や『公』という視点が抜け落ちている。世界には日々の食事に困り、飢えて苦しんでいる人が大勢いる。それなのに感謝の心もなくご飯を残し、しかもそれを誇らしげにしているなんて、人類に対する犯罪行為です」

 最近では、ライスの量を選べたり、おかずを単品で注文できる店も増えている。しかし「それでもご飯を残す人は増える一方」(前出・ファミレス店員)という。このことにも藤原氏は憤慨している。

「事前に“いらない”とか“半分にして”と申し出ればいいだけのこと。簡単なことなのにどうしてそれができないのか、不思議なことです」

 ぜひ藤原先生には「ライスの品格」を書いてほしい。

※週刊ポスト2016年6月10日号

トピックス

”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
クマ対策には様々な制約も(時事通信フォト)
《クマ対策に出動しても「撃てない」自衛隊》唯一の可能性は凶暴化&大量出没した際の“超法規的措置”としての防御出動 「警察官がライフルで駆除」も始動へ
週刊ポスト
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下主催の「茶会」に愛子さまと佳子さまも出席された(2025年11月4日、時事通信フォト)
《同系色で再び“仲良し”コーデ》愛子さまはピンクで優しい印象に 佳子さまはコーラルオレンジで華やかさを演出 
NEWSポストセブン
「高市外交」の舞台裏での仕掛けを紐解く(時事通信フォト)
《台湾代表との会談写真をSNSにアップ》高市早苗首相が仕掛けた中国・習近平主席のメンツを潰す“奇襲攻撃”の裏側 「台湾有事を看過するつもりはない」の姿勢を示す
週刊ポスト
クマ捕獲用の箱わなを扱う自衛隊員の様子(陸上自衛隊秋田駐屯地提供)
クマ対策で出動も「発砲できない」自衛隊 法的制約のほか「訓練していない」「装備がない」という実情 遭遇したら「クマ撃退スプレーか伏せてかわすくらい」
週刊ポスト
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン
文京区湯島のマッサージ店で12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕された(左・HPより)
《本物の“カサイ”学ばせます》12歳タイ少女を働かせた疑いで経営者が逮捕、湯島・違法マッサージ店の“実態”「(客は)40、50代くらいが多かった」「床にマットレス直置き」
NEWSポストセブン
山本由伸選手とモデルのNiki(共同通信/Instagramより)
《いきなりテキーラ》サンタコスにバニーガール…イケイケ“港区女子”Nikiが直近で明かしていた恋愛観「成果が伴っている人がいい」【ドジャース・山本由伸と交際継続か】
NEWSポストセブン
Mrs. GREEN APPLEのギター・若井滉斗とNiziUのNINAが熱愛関係であることが報じられた(Xより/時事通信フォト)
《ミセス事務所がグラドルとの二股を否定》NiziU・NINAがミセス・若井の高級マンションへ“足取り軽く”消えた夜の一部始終、各社取材班が集結した裏に「関係者らのNINAへの心配」
NEWSポストセブン
山本由伸(右)の隣を歩く"新恋人”のNiki(TikTokより)
《チラ映り》ドジャース・山本由伸は“大親友”の元カレ…Niki「実直な男性に惹かれるように」直近で起きていた恋愛観の変化【交際継続か】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
「週刊ポスト」本日発売! 内部証言で判明した高市vs習近平「台湾有事」攻防ほか
NEWSポストセブン