発生が月末の31日だったことから、シノギがらみの事件とも推測されている。月の最終日は、暴力団たちの貸借では「金を払う日」だからである。岡山市内にある山健組系列と揉めていたと話す警察関係者もいる。
「組がらみの債権回収で矢面に立っていたのなら、金がらみの事件かもしれない。あるいは、六代目側から引き抜いた人間たちの金がらみのトラブルか。双方が情報操作をしていて、まだ真相が見えない」
今年頭から全国各地で頻発した六代目山口組と神戸山口組の小競り合いは、ここ2か月、伊勢志摩サミットという国際行事を考慮し、国家のメンツを潰さないため自粛されてきた。他国の国家元首が来日している際に抗争事件を起こせば、なりふり構わぬ国策捜査が始まってしまうからだ。社会から本気で忌避されず、警察を激昂させない程度を探りつつ、現代の抗争事件は実行される。
※週刊ポスト2016年6月17日号