国内

家の増築ならぬ「減築」 7つのメリットと3つのデメリット

 子供たちがいた頃は、にぎやかだけど狭苦しいと感じていたわが家。でも、子供の独立などで、夫婦だけ、あるいはひとり暮らしになった途端、広すぎて寂しく感じるようになることも。近年、不便さと同時に不安が増す、家の悩みが解決できる、と注目を集めているのが「減築」。

 その名の通り、増築の反対で、家の規模を減らすというもの。この減築について、『「おひとりさま」の家づくり』(新潮新書)などの著者である、建築家の天野彰さんに7つのメリットを聞いた。

(1)生活空間をコンパクトにまとめられる
 普段の生活で感じていた家に対する不満を解消。生活に必要なスペースと生活動線を見直してコンパクトにすることで、暮らしやすさが生まれる。

「減築すれば、何でもほどよく手が届くところに集めることができます。スペース的には、ひとりなら10坪もあれば充分。空いたスペースは、駐車場やアパートにして貸すことも可能です」(天野さん)。

(2)防犯面でも安心できる
 大きな家の場合、普段、足を踏み入れない、人の気配がない場所はドロボウに侵入されやすく、侵入されても気づきにくいという。

「目の届かない部屋をなくすことで、防犯性はグッと高まります。家全体が暗いのもNG。住宅街での家の灯りは、その家だけでなく、街の防犯性の向上にも役立ちます」(天野さん)。

(3)光熱費など生活費も効率化できる
 掃除や空気の入れ替えを怠ると、家は傷んでいくもの。使っていない部屋がある場合、そこから家が傷んでしまうが、家が小さくなれば、掃除などの負担も楽になる。また、部屋数が減れば冷暖房も効率化でき、光熱費も抑えられる。風通しや採光の改善も、光熱費を抑えるのに有効だ。

(4)固定資産税も軽減できる
 固定資産税は、家の延床面積によって決まってくる。減築によって延床面積が減れば、当然その分だけ固定資産税も減額されるのだ。

(5)建て替えよりも減築はローコストでできる
 新築の際にもっとも重要で費用がかかるのが基礎工事。減築はリフォーム工事なので、今ある基礎を利用でき、その分、費用が抑えられる。

(6)慣れ親しんだ場所で暮らせる
 長年暮らしたコミュニティーを離れて、知らない人ばかりの新しい場所で人間関係を作り上げるのは、不安が大きいもの。減築の場合、今の家をリフォームするので、老後も安心だ。

(7)耐震性が向上できる
 部屋の一部分のみのリフォームではなく、減築では家全体を見直すため、基礎工事や耐震構造チェックも必須。現在の耐震基準に合わせた補強工事だけでなく、間取りの見直しに合わせた家具の配置換えもでき、家具の転倒などによる地震被害を防ぐなど、防災につながる家づくりができる。

関連キーワード

トピックス

安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ブラジルにある大学の法学部に通うアナ・パウラ・ヴェローゾ・フェルナンデス(Xより)
《ブラジルが震撼した女子大生シリアルキラー》サンドイッチ、コーヒー、ケーキ、煮込み料理、ミルクシェーク…5か月で4人を毒殺した狡猾な手口、殺人依頼の隠語は“卒業論文”
NEWSポストセブン
9月6日に成年式を迎え、成年皇族としての公務を本格的に開始した秋篠宮家の長男・悠仁さま(時事通信フォト)
スマッシュ「球速200キロ超え」も!? 悠仁さまと同じバドミントンサークルの学生が「球が速くなっていて驚いた」と証言
週刊ポスト
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン