続いて、デメリットについても教えてもらった。ここでは、最近「減築」のオーダーも増えていると語る住友不動産の広報担当者にも聞いた。
(1)費用がかさむこともある
新築よりも費用が抑えられるとはいえ、それなりに費用がかかるもの。「基礎がしっかりしていて構造上の問題がなければ、通常の減築工事の場合は、新築工事の7〜8割の費用ですみます」(天野さん)。
「目安は1000万~2000万円。幅が広いのは、建て替えと比べて費用が抑えられた分、“趣味のレコードを楽しむ部屋を作りたい”など、こだわりの空間づくりを希望されるかたが多いため。当初の想定より、お金をかけるかたも多いですね」(住友不動産広報担当者)
(2)工事中に仮住まいが必要に
小規模なら居ながらにしての減築も可能だが、壁を取り払う、2階建てを平屋にするなど、大がかりな工事の場合、仮住まいが必要だ。
「とはいえ、完全に取り壊しての建て直しなら着工して半年近くかかるところ、減築リフォームなら3か月程度ですむので、仮住まいの負担も少なくすみますよ」(住友不動産広報担当者)
(3)減った部屋に物が収まりきらない
減築することで家が小さくなるため、元の広い家に収まっていた荷物をそのまま持ち込もうとすると収まらず、処分が必要となる。
「シニア世代は、物が捨てられず、不用品を溜めこんでいることも多いんです。“新しい家には持っていけないから”とご自身による処分を促すことで、納得した断捨離につながりますので、メリットも多いですね」(住友不動産広報担当者)
※女性セブン2016年6月23日号