芸能

妻の病気、父の借金、成田屋の伝統──海老蔵が背負う重圧

最新の乳がん治療には年間3000万円とも

 妻の麻央(33才)が乳がん闘病中であることを明かした歌舞伎俳優・市川海老蔵(38才)。発見は1年8か月前。夫婦で受けた人間ドックの結果だった。

「すでに症状は進んでいたそうです。抗がん剤投与で腫瘍を小さくしてから手術に臨む方針でしたが、麻央さんの場合、肝心の抗がん剤の効果が芳しくなかったといいます」(歌舞伎関系者)

 通常、手術のための抗がん剤投与はどんなに長くても半年間だといわれる。「今も投与を続けている」という海老蔵の言葉が、深刻な病状を暗に示す。

 海老蔵には背負うものが多い。父・團十郎(享年66)は生前、親族の不動産業の失敗を受け、保証人として19億円の借金を抱え込んだ。1992年に歌舞伎の興行主である松竹が借金を肩代わりしたが、その際、團十郎の家と土地は松竹所有になった。

「未だに名義は松竹のまま。團十郎さん亡き今、借金を返せるのは海老蔵さんしかいない」(前出・歌舞伎関係者)

 必然、海老蔵の仕事のスケジュールは過密なものになる。2016年の彼の公演を見ると、1月3日の新春花形歌舞伎に始まり、グランドジャパンシアター(2月)、市川海老蔵特別公演(3月)、源氏物語(4月)、團菊祭五月大歌舞伎(5月)、那須芸能フェスティバル(6月)と休みがない。7月以降も年末まで同様に公演が続く。

 加えて團十郎の死後、海老蔵は松竹の興行とは別に、自主公演『ABKAI』を定期的に開催してきた。

「現在は上演されなくなった江戸時代の演目を復活させ、成田屋をさらに成長させたいのだそうです。“歌舞伎界はおれが背負う”という気概を感じます」(別の歌舞伎関係者)

 公演以外の新たな仕事も入れている。ドラマやCMに出演し、2013年夏からは『ABMORI』という植林プロジェクトも立ち上げた。8月にはディナーショーも行う。

「麻央さんの治療費も捻出しなければいけません。彼女が入院していたのは、セキュリティーやプライバシー保護の観点から1泊10万円超のVIP部屋。乳がんの場合、最新の治療を受け続ければ年間3000万円は下らないといわれており、入院費用も合わせれば莫大です」(前出・歌舞伎関係者)

 金だけではない。海老蔵の屋号『成田屋』は歌舞伎界の宗家と呼ばれ、350年の歴史を背負う名門中の名門。看板に恥じぬよう日々芸の鍛錬が求められ、興行の失敗は許されない。

 妻の病、金銭事情、家の重圧──。八方塞がりの海老蔵が、奈落のごとき深い絶望を感じることもあるだろう。それでも彼は日々の微笑みをブログでアップし続けている。

 6月1日、海老蔵は千葉県の成田山新勝寺で出家の儀式である得度を授かったことを明かした。先の会見でその理由を問われ、彼は答えた。

「どれだけ瞬間瞬間を大事に生きることに費やせるか。闘病はこれからも続くし、人も波がある」

※女性セブン2016年6月30日号

関連記事

トピックス

優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
“アンチ”岩田さんが語る「大谷選手の最大の魅力」とは(Xより)
《“大谷翔平アンチ”が振り返る今シーズン》「日本人投手には贔屓しろよ!と…」“HR数×1kmマラソン”岩田ゆうたさん、合計2113km走覇で決断した「とんでもない新ルール」
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン