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2016.07.08 07:00  週刊ポスト

現役総会屋 「本気で怒るプロ株主がいてもええんやないか」

 1997年、株主総会史上、最も世間を騒がせた事件が起こる。“戦後最大の金融スキャンダル”と呼ばれた「第一勧銀・四大証券利益供与事件」である。

『日本最大の総会屋「論談」を支配した男』などの著書がある作家の大下英治氏が話す。

「1997年5月、東京地検特捜部は総会屋の小池隆一氏を証取法違反容疑で逮捕します。続けて第一勧銀や四大証券の幹部32人が相次いで摘発されました。

 各社から小池氏に渡った利益供与額は128億円にのぼることが判明し、戦後最大の経済事件へと発展しました。なかでも117億円も小池氏に渡していた第一勧銀の宮崎邦次元会長が自殺するなど、事件の傷跡は深かった」

 この事件によって同年、2度目の商法改正が行なわれた。利益供与への処罰がより厳しくなり、総会屋は姿を消していった。企業法務の専門家である久保利英明弁護士の解説だ。

「現在の企業のコーポレート・ガバナンス(企業統治)重視の流れは、この1997年が起点となりました。企業の不正防止、及び株主など利害関係者により健全に監視される状態が作られていく。同事件を機に総会屋を本格的に排除する企業が増え、株主総会が大きく変わっていきました」

 当事者である小池氏はこう否定する。

「私には利益供与を受けたという認識はなく、第一勧銀や四大証券の総会をそれまで“シャンシャン”で終わらせてきたことに対する謝礼であり、だから銀行融資などの形を取っていた。

 この事件で、総会屋が企業にタカるだけの『悪』と捉える風潮ができましたが、それは間違いです。総会屋は、企業が表に出せない裏仕事を担うなど、彼らにとって使い勝手のいい存在でもあったのです」

 現役の総会屋で、最盛期に150人を擁した「小峰グループ」の一員だった竹之内昌虎氏もこういう。

「総会屋がおらんようになって株主総会は緊張感がなくなった。今年、ワシは東芝の株主総会に出て、室町正志社長と対峙した。

 粉飾決算など一連の不祥事について、室町社長が“司法の判断に従う”と言ったから、“それなら拘置所に行くこともあるんか。差し入れに行くけえの”と言ってやった。ワシのように本気で怒って声を上げる“プロ株主”がいてもええんやないか」

※週刊ポスト2016年7月15日号

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