国内

猫バーテンダー グラスやビンを倒したことはない

『BAR猫』の猫バーテンダー・あくび

 数多くの飲食店がひしめく東京・上野広小路に、つぶらな瞳のバーテンダーがおもてなししてくれるバーがある。その名は『BAR猫』。

「とはいっても、うちの店は猫がいなかった頃からこの名前なのよ。店主が猫好きでね」

 ズラリと並んだ酒ビンの隙間からスルリと出てきたのは“お酒を作らないバーテンダー”のあくび。お客さんが入ってくるとカウンターの上を軽やかに歩いてお出迎えし、お酒を楽しむ人のひざで甘えたかと思うと、お客さんの隣で彼女専用のグラスから水を飲む。

「飲食店なのに大丈夫なのかですって? なにしろ店名が店名だから、猫が嫌いなお客さまはいらっしゃらないもの」

 猫がいなかった『BAR猫』にあくびがやってきたのは2012年の秋。まだ生後4か月の子猫だった。

「子供の頃からこのお店が遊び場だから、グラスやお酒のビンを倒したことはないわ。ふふん、これは自慢できることのひとつね」

 もうひとつの自慢は、猫好きのお客さんから「こんなに接客してくれる猫には会ったことがない」と言われること。

「店主は『忙しいときに接客を任せられるから助かるわ』って。天職なのかしらね(笑い)」

 小さな小さなバーテンダー猫は今日も、お酒に癒しというエッセンスを加えている。

【プロフィール】
名前:あくび ♀
年齢:3歳
種類:猫(シンガプーラ)
勤務先:BAR猫
職種:お酒を作らないバーテンダー
主な仕事内容:お客さまのお出迎え、遊び相手、お見送り。
お給料:基本給はキャットフード。ごほうびは大好きなオヤツ!
好きなこと:お尻ポンポン(しっぽの付け根をポンポン叩いてもらうこと)。
嫌いなこと:爪切り。お店の行き帰り、キャリーバッグに入れられること。
現在の悩み:妹分の犬に追いかけられるのがめんどくさい。
将来の夢:妹分の犬はお父さんと古書店、私はお母さんとBARと2か所に分かれて働いているので、いつかみんな一緒に働きたい!

撮影■山口規子

※女性セブン2016年7月28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
川道さら
【「今日好き」で大ブレイク】20歳を迎えた川道さらが語った仕事への思い「お酒で体重増えたから毎日9~10㎞走っています」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
決勝の相手は智弁和歌山。奇しくも当時のキャプテンは中谷仁で、現在、母校の監督をしている点でも両者は共通する
1997年夏の甲子園で820球を投げた平安・川口知哉 プロ入り後の不調について「あの夏の代償はまったくなかった。自分に実力がなかっただけ」
週刊ポスト
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト
離婚を発表した加藤ローサと松井大輔(右/Instagramより)
「ママがやってよ」が嫌いな言葉…加藤ローサ(40)、夫・松井大輔氏(44)に尽くし続けた背景に母が伝えていた“人生失敗の3大要素”
NEWSポストセブン
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
【観光客が熊に餌を…】羅臼岳クマ事故でべテランハンターが指摘する“過酷すぎる駆除活動”「日当8000円、労災もなし、人のためでも限界」
NEWSポストセブン
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《金メダリスト・北島康介に不倫報道》「店内でも暗黙のウワサに…」 “小芝風花似”ホステスと逢瀬を重ねた“銀座の高級老舗クラブ”の正体「超一流が集まるお堅い店」
NEWSポストセブン
夏レジャーを普通に楽しんでほしいのが地域住民の願い(イメージ)
《各地の海辺が”行為”のための出会いの場に》近隣住民「男性同士で雑木林を分け行って…」 「本当に困ってんの、こっちは」ドローンで盗撮しようとする悪趣味な人たちも出現
NEWSポストセブン