国内

安倍首相主張の憲法改正の手口はナチスと同じと大前研一氏

自民党「日本国憲法改正草案Q&A増補版」

 改憲論議が高まっている。安倍晋三首相は憲法審査会での議論を優先するというが、すでに「第9条」や「緊急事態条項」などについて詳細な改憲草案を出している自民党が“数の力”で議論を主導していく可能性は高い。最新刊『君は憲法第8章を読んだか』が話題の大前研一氏が、安倍首相が唱える憲法改正のやり方について警鐘を鳴らす。

 * * *
 安倍首相は憲法改正に向けて、第1次政権時代に国民投票法を成立させ、昨年は安保関連法を強行採決した。そして今夏の参院選で改憲の発議に必要な3分の2以上の議席を改憲勢力で確保した。この勢いで一気に改憲へ、と考えているかもしれないが、「Gゼロ」時代(※)になった今こそいったん立ち止まってアメリカとの戦後70年を再考し、国際社会の中で日本はどうあるべきかということを、もっと真摯に議論しなければならない。

【※「Gゼロ」時代/アメリカの政治リスク分析の専門家イアン・ブレマー氏が提唱している概念。東西冷戦時代のG2(アメリカとソ連)、冷戦終結後のソ連崩壊によるG1(アメリカ一極支配)を経て、G7もG20も機能しなくなり指導国が存在しなくなった現在の国際情勢を指す】

 もともと安倍首相は「戦後レジームからの脱却」を主張していた。しかし、アメリカとの関係を見直すことの難しさに直面し、中国、韓国との関係悪化を経て結局、アメリカにすり寄った。

 昨年4月、連邦議会上下両院合同会議の演説で「日本にとって、アメリカとの出会いとは、すなわち民主主義との遭遇でした」などと歯の浮くようなおべんちゃらを言ったのは記憶に新しい。要するに安倍首相は、実は腰が定まっていないのである。だから現在の日本の状況は、なおさら危険だと思うのである。

関連記事

トピックス

第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン
花の井役を演じる小芝風花(NHKホームページより)
“清純派女優”小芝風花が大河『べらぼう』で“妖艶な遊女”役を好演 中国在住の実父に「異国まで届く評判」聞いた
NEWSポストセブン
2000年代からテレビや雑誌の辛口ファッションチェックで広く知られるようになったドン小西さん
《今夏の再婚を告白》デザイナー・ドン小西さんが選んだお相手は元妻「今年70になります」「やっぱり中身だなあ」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「王子と寝ろ」突然のバス事故で“余命4日”ののち命を絶った女性…告発していた“エプスタイン事件”【11歳を含む未成年者250名以上が被害に】
NEWSポストセブン
人気シンガーソングライターの優里(優里の公式HPより)
《音にクレームが》歌手・優里に“ご近所トラブル”「リフォーム後に騒音が…」本人が直撃に語った真相「音を気にかけてはいるんですけど」
NEWSポストセブン
ナンバープレートを折り曲げ集団走行する「旧車會」=[福岡県警提供](時事通信フォト)
《各地で増える”暴走”》駐車場を勝手に旧車會の集合場所とされた飲食店主「100台以上も…他のお客さんが入って来られん」と怒り
NEWSポストセブン
世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン