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角居勝彦調教師が解説 札幌記念を走らせる意味

 角居厩舎では昨年はラキシス(5着)、2014年はエアソミュール(5着)、2013年はオールザットジャズ(6着)と、惜しい競馬が続いています。

 ウオッカの同期生で、デビューから3連勝を飾りながら骨折で離脱を余儀なくされたトーセンキャプテンは、4歳春に復帰後、5戦目の函館記念で勝利を挙げました。その年の秋のGIでは結果が出ませんでしたが、2009年の5歳夏には態勢を立て直し、函館記念と同じ鞍上の藤岡佑介騎手で札幌記念に臨みました。

 ブエナビスタ(2着)、マツリダゴッホ(9着)といったGI馬のなかで13番人気だったものの、力みのないスタートから道中は最後方でじっと我慢して、直線で内側から一気に切れ上がっての5着。上がり3ハロンはブエナビスタと同じく35.1秒と最速。これもいい競馬でした。

 掲示板に載るにとどまりましたが、懐かしい空気のなか、1年ぶりに洋芝を疾走する姿が気持ち良さげだったように思います。低迷していた馬が、この地の走りできっかけを掴むこともあるのです。

●すみい・かつひこ:1964年石川県生まれ。中尾謙太郎厩舎、松田国英厩舎の調教助手を経て2000年に調教師免許取得。2001年に開業、以後15年で中央GI勝利数23は歴代2位、現役では1位。ヴィクトワールピサでドバイワールドカップ、シーザリオでアメリカンオークスを勝つなど海外でも活躍。引退馬のセカンドキャリア支援、馬文化普及、障害者乗馬などにも尽力している。引退した管理馬はほかにカネヒキリ、ウオッカ、エピファネイア、ラキシス、サンビスタなど。

※週刊ポスト2016年9月2日号

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