スポーツ

角居勝彦調教師が解説 札幌記念を走らせる意味

競馬ファンにとって札幌競馬の見方は?

 春競馬の終わりとともに、有力馬は北海道の牧場に放牧に出されることも多い。つかの間、北の大地でリフレッシュしたあとは、また激戦が続く。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、夏の札幌開催のハイライト・札幌記念を走らせる理由についてお届けする

 * * *
 現在は札幌競馬開催の真っ最中。札幌の中心地にある高層ビルが間近に見え、その後ろに緑濃い山々が連なっているのが望めるなんとも素敵な競馬場です。2年前にリニューアルされてからは、家族で楽しめるようなエリアもあり、市民が短い夏を楽しんでいます。牧場関係者の来場も多く、海の見える函館競馬場とならんで私の大好きな競馬場です。日によっては新潟や小倉より来場者が多いこともあり、6週だけの開催は、なんとなく残念な気がします。

 札幌開催のハイライト、8月21日に行なわれる札幌記念は秋につながる重要なGIIレースです。前哨戦も函館記念、札幌のクイーンSというケースが多く、使い勝手の良さもあって各陣営の目標になります。

 同じ距離ということで新潟記念と比較されることも多いようですが、北海道の牧場に出されていた馬にとって、新潟へは一度栗東トレセンに戻して送ることになります。長距離輸送が2回入るストレスを思うと新潟よりは札幌です。

 角居厩舎は、夏場あまり他の重賞は使いませんが、札幌記念だけは別格という思いがあります。

 まず馬場がいい。ターフは札幌と函館のみが洋芝(他の競馬場は野芝)です。洋芝は葉丈が長くて踏まれ弱いものの、野芝よりも深いターフでクッション性に富みます。それが馬の脚の負担になるとする向きもあるようですが、私はあまり気にしません。

 札幌の芝コースはほとんど高低差がなく、力どおりの競馬が期待できます。凱旋門賞へのステップとなる場合も多いようですが、秋の天皇賞の前の一走りという意味合いもあります。札幌記念出走後も牧場に残ってじっくりとステップアップさせる。そんな使い方もできます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
浅香光代さんと内縁の夫・世志凡太氏
《訃報》コメディアン・世志凡太さん逝去、音楽プロデューサーとして「フィンガー5」を世に送り出し…直近で明かしていた現在の生活「周囲は“浅香光代さんの夫”と認識しています」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
宮城県栗原市でクマと戦い生き残った秋田犬「テツ」(左の写真はサンプルです)
《熊と戦った秋田犬の壮絶な闘い》「愛犬が背中からダラダラと流血…」飼い主が語る緊迫の瞬間「扉を開けるとクマが1秒でこちらに飛びかかってきた」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン