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自民総裁選はガチなのに民進代表選はそうでないため遺恨残る

民進党の代表選は遺恨が残る?

 野党第一党の党首選といえば、将来の首相候補を選ぶ重要な選挙のはずだが、民進党のそれはまるで学級委員選びかと見紛うほどの低レベルだ。出馬表明した蓮舫氏の前に、細野豪志氏や江田憲司氏、枝野幸男氏、そして若手の玉木雄一郎氏といった有力議員は軒並み不出馬を表明している。

 民進党代表選が盛り上がらないのは、蓮舫氏のライバルたちがまるでババ抜きのように、対立候補に担がれないように出馬を固辞しているからにほかならない。

 そんな中で「5年ぶり3度目の出馬」を表明したのが、前原誠司・元外相だ。甲子園じゃあるまいに。

 前原氏と蓮舫氏は安保政策が正反対。蓮舫氏が集団的自衛権の行使容認反対の立場で「憲法9条は絶対に守る」と公約して左派にも支持を広げているのに対して、前原氏は集団的自衛権賛成派。後がない前原氏は「負けたら党を割る」くらいの覚悟で安保論争を挑むかと思っていたら、出馬に必要な20人の推薦人集めに苦労し、なりふり構わず政策的に一番遠い左派の赤松グループ(旧社会党系)に支援を要請して断わられた。

 それでも負けを覚悟で出馬に踏み切ったのには事情がある。

「勝ち目がないのを承知で出馬を表明したのは、若手が玉木を担ぎ出すのを防ぐため。蓮舫vs玉木の勝負になれば、党内は一気に世代交代して自分たちの出番がなくなる。野田、岡田、前原、枝野といったかつての民主党七奉行世代(*)は蓮舫代表の下で党の実権を握り続けようとしている」(若手議員)

【*2003年頃から渡部恒三氏が呼び始めた呼称で、野田、岡田、前原、枝野の4氏に、仙谷由人氏、玄葉光一郎氏、樽床伸二氏を加えた7人を指した】

 政治評論家の有馬晴海氏は民進党の体質をこう分析する。

「民進党が今回の代表選で党の存在をアピールするには誰か対立候補を立てなければならない。そこで前原氏に出てもらって、票が蓮舫氏に集中しすぎないように、それなりに前原氏に入るようにする。傍から見れば出来レースに映ってしまう、そんな代表選の展開になるのではないか。

 自民党の総裁選は候補者たちがガチンコで勝ちを取りに行く。それに比べて民進党は民主党時代からガチンコで喧嘩しない。だから負けた方は負けを認めずに、妙な遺恨が残ってその後も党内がゴタゴタするわけです」

 こんな茶番を続けていたら国民の信頼を取り戻すなどほど遠い。野党は共産党だけ、ということになりかねない

※週刊ポスト2016年9月9日号

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