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ビジネスホテル 「ワンランク上」のハイクラス型へ進化中

クオリティの高さが光る客室(ホテルフォルツァ博多)

 ビジネスホテルとは宿泊に主体をおいた宿泊施設を指す。よく「○○イン」というネーミングのビジネスホテルを見かけるが、ビジネスホテルとは日本ならではの呼称で海外では「イン」と称されることがある。

 一方、「シティホテル」と言われてきた施設は、宿泊機能のほかにも料飲施設やスパ施設、ショッピングアーケードなどパブリックな機能なども有する本来の「ホテル」ともいえる。

 だが、近年このカテゴライズがクロスオーバーしつつある。機能的で清潔感も高いビジネスホテルは人気沸騰であるが、本来の特色であった「ローコスト」なタイプから、シティホテルを彷彿とさせる付加価値を打ち出す「ハイクラスタイプ」に注目が集まっている。伝統的なシティホテルが人気の宿泊主体型へ“鞍替え”するケースすら見られる。

 ハイクラスタイプの代表格が「リッチモンドホテルズ」。客室面積はローコストタイプが10~12平方メートルといった中、18平方メートル~が基本。ベッドからデスク、浴室やアメニティまでハイクラスが実感できるチェーンだ。

 また、天然温泉大浴場や露天風呂、サウナなど温浴設備が人気の「ドーミーイン」チェーンは、夜食の夜鳴き蕎麦を無料提供するなど付帯サービスが魅力で客室のクオリティも高い。

 一方、ローコストタイプの代表格が全国最大規模の「東横イン」だ。昨年来、ホテル需要の高まりによる料金高騰が話題となっているが、過度なレベニュー(料金変動)が見られるチェーンが増える中で、変動を最小限に抑え顧客から絶大な支持を受けたチェーンだ。

 朝食やミネラルウォーターの無料提供や、市価より安い自動販売機なども人気のひとつ。客室も贅沢な設えではないが機能性が高く、全国いずれも同一のクオリティという安心感も高い。

 ここにきてローコストタイプというイメージだったチェーンが、ハイクラスタイプを展開する動きが活発だ。

 たとえば「ホテルルートイン」。ロードサイドへの出店が主体のチェーンというイメージだったが、都市部・駅近への出店も加速し、最近では「ホテルルートイングランド」ブランドでワンランク上の施設を展開している。客室や設備、インテリアなどへの気遣いが光る。

 また、全国各地への出店を加速している「マイステイズ」チェーンも、従来の宿泊特化型に加え、「ホテルマイステイズプレミア」ブランドでハイクラスタイプを展開している。直近では10月1日に、「ホテルマイステイズ金沢」がプレミアを冠しリブランドオープンする。駅西口という好立地なうえ、金沢の伝統美をコンセプトに打ち出し、朝食にもご当地メニューを積極的に採り入れる。ジムやライブラリーも有する。

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