「ある程度の規模で試合や大会が続いている競技はスポンサーが見つけやすい。毎回の視聴率に一喜一憂しながらスポンサー探しをしないとならない番組制作よりも、スポーツ中継のほうが赤字にならない方法かもしれません。Bリーグはソフトバンクグループがついているし、Cygamesが冠スポンサーになっているRIZINも女子の試合への注目度が高まっているので、新たな展開の可能性が大きいです」(制作会社ディレクター)
スポナビライブで全試合中継しているBリーグ中継では、ソフトバンクグループ各社のCMが目立った。RIZIN中継では、その日の大会メインイベントを差し置いて、ひとつ前の「RENA vs. 山本美憂」をメインとして放送した。この抜擢は、ロンダ・ラウジーなど女性格闘家の活躍でブランド力を急上昇させた米UFCと繋がることも意識した編成だろう。UFC同様、RIZINも資産価値が上がる可能性はある。
「母と子のフジテレビ」というキャッチフレーズで子ども向け番組とアニメが中心だったフジテレビは、1980年代に『THE MANZAI』や『俺たちひょうきん族』などのお笑い番組が大ヒット、月9ドラマが大ブームを起こし、以前とはまったく違う得意分野を持つテレビ局になった。そしていま再び、大きな変革の時が来ているようだ。
12月31日のさいたまスーパーアリーナで開かれる「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2016 無差別級トーナメント Final ROUND」は、同日にフジテレビで放送されると早くも発表されている。紅白歌合戦に肉薄するほどの派手な視聴率は残せないかもしれないが、後から振り返ると、フジテレビの歴史が変わる一日として記憶されるかもしれない。