国内

過度な願望押しつけ社会 宇都宮健児、ベッキーらを敵認定

ネットニュース編集者の中川淳一郎氏

 自分の思うように物事が運ばないと攻撃的になるのは、ひとりよがりで勝手な考え方だと誰もが承知しており、そんな言動は相手にしないはずだった。ところが、ネットでは自分の思い通りにならない相手を「敵」と認定し攻撃しても、なぜかまかり通るときがある。そして、その傾向がネットから現実にはみ出すことが最近では増えてきた。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、自分の願望を押しつける現在の社会について解説する。

 * * *
 今の世は過度な「願望押しつけ社会」だ。人権団体・アムネスティ日本が、漫画家・ろくでなし子氏を招いて表現の自由について考える会を企画したが、彼女に批判的な人々により一旦会は中止に追い込まれた(最終的には実施)。ろくでなし子氏といえば、自身の性器の3Dデータを頒布したとして逮捕された経験を持つ人物である。

 なぜ彼女のイベント中止を求める者がいたのか。それは、人種差別反対運動に熱心な男性・A氏のツイッター上での恥ずかしい黒歴史的発言「ぱよぱよちーん」を過去に彼女が楽しそうにツイートしたからだ。

 この言葉は、A氏が使う挨拶の言葉だったのが、語感のあまりの間抜けさから一時ネットの流行語となった。それを彼女がおちょくってツイートしたことから、「立派な人種差別反対運動の闘士」であるA氏の敵だとして、「ろくでなし子はレイシスト(人種差別主義者)」という、謎の判断をされたのだ。

 だからこそ、「反差別界隈」の人々が信じる正義の人権団体・アムネスティでイベントをやることは許しがたい行為と判断された。アムネスティに対し「見損なった」「呆れた」といった趣旨の意見が寄せられ、中には当日乗り込むことを示唆する内容もあったため、恐れをなした事務局が中止を宣言したのだ。

 これはアムネスティには(自分たちが考える基準の)“立派さ”を保って欲しいという願望の押しつけである。会合の場所がサブカルの殿堂・ロフトだったならばクレームはなかっただろう。

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