投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が10月17日~10月21日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円はもみあいか。英国の欧州連合(EU)離脱の交渉開始に向け英国、欧州の実体経済に与える影響が懸念されており、投資家のドル選好地合いは続きそうだ。また、主要産油国の減産合意を背景とした原油価格の持ち直しで円買いは引き続き弱まる公算。米9月消費者物価指数(CPI)など米経済指標が堅調なら、年内利上げ観測を背景としたドル買いは継続するだろう。
ただ、中国の9月貿易統計が低調だったことから、中国経済がリスク要因として再び意識され始めた。19日発表の7-9月期中国国内総生産(GDP)に対する関心が高まっている。1-3月期、4-6月期の成長率はいずれも前年比+6.7%となった。7-9月期も同水準と予想されているが、想定を下回ればリスク回避的な円買いが強まり、ドル・円は弱含む展開もあり得る。
一方、11月8日の米大統領選まで1カ月を切り、TV討論会や支持率調査で民主党クリントン候補の共和党トランプ候補に対するリードが続いている。19日(日本時間20日午前)に予定される第3回の大統領候補者テレビ討論会で前2回に続きクリントン氏優勢となれば、本番の大統領選挙でも勝利する可能性が高まり、リスク選好的なドル買いは継続する可能性がある。
【米・9月消費者物価コア指数】(18日発表予定)
米9月消費者物価コア指数(コアCPI)は、前年比+2.3%と予想されており、物価上昇率は8月実績と同じ水準になるとみられている。コアCPIの伸びが予想通りなら、年内利上げ期待をさらに後押しする材料として注目されそうだ。
【米大統領選第3回TV討論会】(19日予定)
日本時間20日午前、民主党クリントン氏と共和党トランプ氏による第3回のTV討論会が注目される。第1回(9月26日)、第2回(10月9日)はいずれもクリントン氏がリードし、ドル買いにつながった。「トランプ・リスク」縮小ならドル一段高の可能性もありそうだ。
・10月17日-21日に発表される主要経済指標については以下の通り。